【キスの続きは~】新春★恋する初ミッション!レポ③(夏目編)
②はこちら。
予行演習と思われた犯人たちは、実は本物のテロリストだった。
〇〇「予行演習がこんなことになるなんて」
夏目「さて、そうと分かれば俺たちも頑張らないとね」
そう言って夏目さんは監視システム室にある、パソコンのキーボードを叩き始める。すると、画面にホテルの見取り図が表示された。
〇〇「あの、赤く点灯してる箇所って...」
夏目「そう。あの赤くなってるところに有毒ガスの噴射装置が設置されている」
キーボードを叩き、夏目さんは隣のパソコンを指差した。
夏目「〇〇ちゃん、今からハッキングで遠隔操作を無効にするから手伝ってくれる?」
〇〇「は、はい!」
私は慌てて隣に座り、パソコンを立ち上げる。以前、夏目さんの家でハッキングシステムに関して教えてもらったから、少しは扱える。
〇〇「えっと、じゃあこのパソコンとそちらを連動して......」
夏目「うん。分担した方が速いからね。速さがカギだよ。じゃあ、ハッキング開始」
プログラムの海を二人でかいくぐり、次々に画面の点灯が消えて行く。
夏目「そうそう。その調子。教えた甲斐があったね。。また教えてあげるよ。もちろん、俺の家で♪」
〇〇「楽しみに.......してます!」
画面に集中していて、ほとんど反射的に答えると、夏目さんが驚いたような気配が伝わった。キーボードを叩く音が滑らかに響く。
夏目「ホント......惚れ直しちゃうよ」
私と夏目さんはハッキング操作を駆使して、毒ガス噴射のために設置された装置を受信不能の状態にしていく。
夏目「よしこれで最後だ」
夏目さんの言葉と同時に、画面上にあった最後の点灯がふっと消える。
〇〇「ハッキング完了しました!」
夏目「ここからが本番だよ。ハッキングがばれない内に急ごう!」
一条『ハッキングお疲れさま!エレベーターで向かって!』
夏目「了解。一条ちゃん助かるよ。さ、〇〇ちゃん行こう!」
椅子から立ち上がり、夏目さんは私の腕を引っ張った。慌てて私も夏目さんに続いてかけ出て、エレベータ=に乗って移動した。
夏目「よし、テロリストはいないみたいだ」
夏目さんがエレベーターホールを確認して、エレベーターを降りると一条くんから通信が入る。
一条『テロリストの詳しい情報が分かったら報告するね』
夏目「よろしく」
一条『彼らはどうやらパンデラ教の革命派の一派みたい。しかも厄介なことに過激派の連中だよ』
夏目「パンデラ教......確か、以前、アメリカ支部のステラが動いてたやつか」
一条『その通り!さすが時生ちゃん。そのアメリカ支部に捕まった奴らが日本に護送されたんだよ。その仲間の解放が奴らの狙いってわけ』
〇〇「そうだったんですね」
一条『リーダーはコックの格好をしているブロウって奴』
(さっき新堂さんに殴り掛かったコックだ!)
夏目「〇〇ちゃん、急ごう!テロリストのいる客室はあっちだね」
テロリストたちが潜伏している客室前の廊下へと向かった。
そこには既に志水さんと桐生さんが待機していた。
〇〇「桐生さん!志水さん!」
志水「おう、とんでもねーことになっちまったな」
桐生「奴らは中だ」
(この中に灰原長官と新堂さん、一二三さんもいる......)
夏目さんは私たちを見渡すと悪戯っぽく笑った。
夏目「よし。じゃあ今年の初任務。張り切っていこう!」
一二三社長から取ったカードキーを通し、部屋のロックが外れる。
夏目「行こう!」
バン!
勢いよくドアが開かれ、私たちは一気に内部に突入した。夏目さんがドアを蹴倒すように押開き、全員で突入する。
従業員A「<! なんだ貴様ら!?>」
志水「<ま、くせ者ってやつ?>」
桐生「<お前らには関係ない>」
志水さんと桐生さんが口々に呟きながら、麻酔銃の引き金を引いた。
バァン!
従業員A「っ!?」
従業員B「う、ぐっ」
それらは狙い違わずテロリストたちに命中し、次々に倒れていく。画面で見た、テロリストのボスらしき男が、焦ったように何かを取り出した。
ブロウ「<くそうっ、こうなったら全員まとめてあの世へ行ってもらおう!>」
毒ガス噴射のウイッチらしきものを力強く押し込む。
カチッ。
カチカチッ!
けれど、それは当然ながら起動しない。
ブロウ「<ど、どういうことだ!?>」
夏目「<はい、残念でした♪>」
いつの間にかボスの背後に回っていた夏目さんが、華麗な回し蹴りでスイッチをけり落とす。
夏目「よっと」
ひゅっ!
ブロウ「<がっ!?>」
夏目「<こんなちんけな策でうちを狙うなんて甘いよね>」
そのままボスを羽交い締めにして、身動きが取れないようにしてしまった。
(よし、今のうちに!)
私は灰原長官と新堂さん、それに一二三社長を助けるために、夏目さんたちの間を通り抜けた。私は夏目さんたちの作った隙を見計らって、新堂さんと灰原長官の拘束を解く。
〇〇「大丈夫ですか?」
灰原「ああ、よくやってくれた」
そして周囲を見渡し、ひとつ頷いた。
灰原「このままならば大事にも至らないだろう。感心する手際だ」
新堂「私も問題ない。テロリストの拘束にあたってくれ」
〇〇「はい!」
テロリストたちは次々に拘束され、やがて全員を捕まえる事が出来た。そのとき、連行されるブロウの叫ぶ声が聞こえてくる。
ブロウ「<くそッ!俺が捕まっても何も変わらないぞ!俺の代わりなんて、腐るほどいるさ!お前らも分かる時が来る!どちらが本当に正しいのかがな!>」
すると、灰原長官と相談していた新堂さんが顔を上げてこちらを見た。
新堂「この事態により、予行演習は取りやめとなったがチームの功績は認められた」
夏目「へえ、ということはもしかして、俺たちに......」
新堂「ああ、臨時ボーナスが贈られる事になった」
志水「お、まじでか」
一条「やったー!頑張った甲斐があったってもんだよ」
〇〇「ボーナス......!」
(かなり嬉しいかも!)
みんなではしゃいでいると、ようやく拘束から解放された一二三さんが腕を組んで頷いた。
一二三「さすが俺様の見込んだ女。素晴らしい。姫、この後だが......]
四ノ宮「忍様!ご無事でなによりです!」
一二三「四ノ宮!うわ!離さんか四ノ宮!」
四ノ宮「いいえ離しません!忍様をお守りすること敵わぬなど、この四ノ宮、一生の不覚!」
詰め寄るように一二三社長に駆け寄る四ノ宮さん。
一二三「わかったから離さんか!」
四ノ宮「忍様!やることはヤマのようにございます!さ、行きましょう!」
一二三さんは半ば強引に連れて行かれてしまった。
新堂「さて、この後だが......]
夏目「あ、俺と〇〇ちゃんは、このあとワクワクの年明けデートだから」
〇〇「え!?」
夏目「先に帰らせてもらいまーす♪」
私の肩を引き寄せて意気揚々と宣言する夏目さん。新堂さんはため息を吐いた。
新堂「......結構ですよ。もう、自由行動にするところでしたから」
夏目「さすが、話が分かるね!」
新堂さんは微妙に呆れ気味だった。
私を連れて移動した夏目さんは、こちらに向かって問いかけた。
夏目「さて、〇〇ちゃん、これから俺のワガママにつき合ってくれない?〇〇ちゃんにも損はさせないよ?」
〇〇「構いませんけど....」
夏目「やった!さあ年明けデートの始まりだ!」
夏目さんは私の手を取って楽しそうに笑った。
(つづく)
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これでおしまいのはずが、長かったんで分けますー。(マドカ)