【恋に落ちた海賊王】「魔法のスープ②」Inspired by「魔法の料理」Bump of Chicken
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数日前ーー
この島にシリウス号が停泊して2日目のこと。
いつものようにみんな買い出しに出かけていた。
船長とシン、○○は食事に向かった。
三人で席について食事をしていると、そこに誰もがはっと振り替えるような、一人の女性が入って来た。
「シン!シンでしょう?こんなところでどうしたの?」
その人はシンの知りあいのようで、笑い合う2人に○○は不安そうな面持ちを向ける。
(シンさん、こんな顔で笑うなんて珍しい。この人と一緒だから、かな)
(この女の人、いつもシンさんに寄ってくるような感じの人じゃなくて....なんていうかもっと別の存在感がある.......シンさんも認めてる女性、なんだね)
(昔なじみの、一緒にいろんなことをくぐり抜けて来た大事な人なのかぁ.....修羅場も2人で乗りこえた.....生死と隣り合わせでありながらも2人で.....過去にどんなことがあったんだろう?私が知らないシンさんはそこで何を考えてどう行動してたんだろう?)
(私は......この間には入り込めない.......私の知らない、シンさんの人生......)
そこで○○はハッとする。
(私......シンさんの過去に嫉妬してるみたいでなんだかイヤだ.....)
胸のなかにうすくモヤがかかるのがわかった。
でも気にしなければいつか晴れると思っていた。
けれど。
それは重く、○○のココロの中にのしかかっていった。
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朝食の席で相変わらず食欲があるのはハヤテとトワ。
「これ、うめー。オムレツみたいな!ケーキみたいだな、これ!」
「ハヤテさん、これキッシュっていうんですよ。さっきナギさんから聞きました」
食べ物を前にしてテンションが上がる2人と、ダダ下がりなシン、リュウガの2人。それをじっと見ているナギとソウシ。そして○○。ハヤテとトワ以外は微妙な空気が流れているのを感じているようだった。
「○○ちゃん、どうしたんだい?ここのとこ、食欲がないようだけど」
ソウシが少し心配そうな顔をして彼女の顔を覗き込む。
「え?あ、ここんとこ食べ過ぎてたから少しダイエットです」
「そんなこと必要ないじゃないか。ちゃんと食べないと船の仕事は持たないよ?」
でもホラっと彼女はゴハンを平らげて、空のお椀をソウシに見せる。
「全部食べましたよ。ナギさん、ごちそうさまでした!私、洗濯当番なので先にトワくんいくね」
そう言った後、ちらっとシンの方を見た後に、すぐ目を背けて、ささっとダイニングを出て行く○○。その姿をシンの視線が追い、何かを考えるように目を伏せる。
ソウシが小声でナギにたずねた。
「ナギ、○○ちゃんの食事の量を初めから少なくしてるかい?」
「ここんとこ、いつもより半分以下でいいってアイツいうもんだから少なめにしてるんです。残したくないって言い張って。あんな量、ハヤテなら一口ですよ」
「やはりね....ちょっと心配だな」
そう言ってソウシはシンを見る。
(つづく)