英国の有名作家といえばだれであろうか。アガサ・クリスティー、ネビル・シュート、他にも珠玉の作家が溢れている。しかし、ジョージ・オーウェルの名を外すことは出来ないであろう。彼は英国、いや世界の小説に偉大な足跡を刻んだ。彼の小説の特徴を挙げろと言われれば、それは不可能だと私は答えるだろう。どうして私が彼の偉大な世界の岸壁の小石を少し削ったくらいでその全体を知ったかのように語れようか。ただ、彼の随筆やその他の"平素のオーウェル"を伝える作品からは、彼の人間への信頼と希望が湧き出ている。彼の随筆"一杯のおいしい紅茶"からは、彼のそんな人柄がにじみ出ている。彼の人生はインドの片田舎に始まり、ドイツ軍の爆弾を搔い潜り、スペインでは喉を撃ち抜かれ、そうしてようやく血の匂いから離れられたと思えば、今度は物資欠乏でろくにストーブすら焚けない。そんな、いわば"しぶとい"彼だからこそ、彼の文章からは、どんな状況でも色あせない希望、そして残酷な現実が同居しているのだ。
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