雨の釣りもまた楽し | アラスカの自然に囲まれて

アラスカの自然に囲まれて

アラスカ州のアンカレッジは自然がいっぱいで、季節の移り変わりを日々肌で感じる自然に密着したくらしです。このブログでは、ここアラスカでの釣りや山登りなどアウトドアライフを中心に、私の見た事、感じたことなどを独断と偏見で紹介します。

今年はアーリーランの紅鮭釣りが不調でしたが、週末にレイトランを狙っていったら4匹つれたので、去年から残っている分なども含めると今年のオフシーズンに食べるのには充分。私のなかで半ばお仕事的な紅鮭釣りはこれでおしまい。めでたし。

 

日本へいっている奥さんが水曜日の早朝にアンカレッジにつくので、2週間あまりの独り身の生活もおしまい。

なので今日火曜日、一人でロシアンリバーにニジマス釣りに出かけました。

 

天気予報は小雨でしたが、道中の峠越えは結構激しく降ってます。

 

 

大型トラックなんかとのすれ違いは飛沫で前が見えづらく少し怖いくらい。

 

そんなドライブもなんだか楽しいのです。好きな音楽を聴き、考え事。

色々考えるのですが、今回は今読んでいるこの本について。

 

 

山奥や離島に住む農民や漁民について、著者が実際にあちこち歩き回って住民の話を聞いて知ったことをもとに、文字を解さない半ば原始的とも呼べる共同体の住人たちがどうやって生活してきたのかを詳しく描写説明した本です。この本、私達日本人とはなにかについてなにか大事なことを教えてくれたような気がします。

 

前から宮本常一(民俗学者)はスゴイと思っていましたが、この本を読んでこういうヒトを天才というんだろうなと思いました。私の力量では簡潔に本の内容や凄さを表現することは不可能なので、単にタイトルと著者を紹介するだけにしておきます。それにこれは今回の記事の本題ではなく、車の運転中に何を考えていたのかを描写する目的で書き出しただけなので、、、、

 

そういうことで、一人で雨のなかのドライブも考え事が進んで楽しいのです。ちょっとばかり変わった楽しみ方ですが。。。。

 

そして肝心の釣り。

 

釣り場もシトシトと雨模様です。

 

 

あまりヒトもいません。気温は15度弱。ヒートテックの上にフリース、そしてその上にレインジャケット。

レインジャケットに落ちる雨粒の音がなんとも。。。

 

なぜか楽しいのです。あえて心理分析をすると多分こういうことでしょう。

 

こんな雨の日に、わざわざ2時間もかけてドライブして、雨に濡れながら釣りをする。それも釣っても食べるわけでもないのに。

そんな状況の深層心理での認識がこれを贅沢な遊びと私に認識させるのでしょう。そう、こういうバカなことをしている私は最高の幸せ者。

 

その贅沢な遊び、とにかく魚を釣るという行為にしゅうちゅう。

 

 

この場所。「あの対岸の白樺のすぐ前あたり。鏡のような静かな水面から少し水面が波立ち始めるあたり。あの草むらの岸のすれすれあたりでマスは上から落ちてくる虫をまっている」とかそうぞうしながらそっとカゲロウのイミテーションの毛鉤を水面に落とすと。ゆっくりと魚が水面を割って。

 

これが今日の一番の魚。40センチくらい。ここでは別に大きい方ではありません。

 

 

最近はあんまり大きさは気にしなくなりました。

 

想像通りに魚が釣れるかどうかが楽しさの鍵。ここは浅く水もすんでいるので、時には見える魚を狙います。流す経路や毛鉤を変えて見える魚をうまく反応させることができるか?それがこの釣りの楽しみです。

 

もちろん、釣ったら放してあげるのですが、とにかく魚にできるだけダメージのないように気をつけます。

「そんなに気にするなら最初から釣らなければいい」と叱られそうですが、全くその通り。

 

偽善というか矛盾なのです。趣味として楽しむ釣りという行為そのものがある意味矛盾です。しなくてもいいことをする、純粋に釣るという行為を楽しむために。魚には迷惑です。ゴメンナサイ。

 

誰か(確か湘南のY氏)がいっていました。フライフィシャーは最終的には釣りをしなくても良くなると。彼はただ、川岸に腰をおろして魚の営みをながめているだけで魚を釣った気になり幸せな気分になると、

 

まだまだですが、最近少しそこに近づいてきているような気もします。

 

別になにか目的を持って釣りをしているわけではないのです。

 

雨ふる川にたち、木から落ちる雫にうたれ、濡れて潤いを増した葉の緑に癒やされながら、この川に住むマスの気持ちになってかんがえようとする。それがこの上なく楽しく、日々の生活によごれた魂の洗濯になるのです。

 

そんなで、4時過ぎまで雨のなかの釣りを楽しみ、また2時間考え事を楽しみながらドライブして無事家につきました。

 

玄関のドアをあけるとネコのクーちゃんが出迎えてくれました。

 

今日も良い日だった。