「ごみー!」

呼ばれるたび、なんだかなあ。と思う。

五味。イントネーションはゴミと同じ。

せめて七味ならいいのに。なんの味覚が2つ足らなかったのか。

その後続く言葉は分かっているけど応える。

「ぁんだよ」

「放課後ひまー?グラコロ食べよーうーぜ!」


名前を呼ぶこいつのおかげで、いじめにつながるようなことはなかった。

苗字のせいか、名前を呼ばれるとチラリと見られるのは、何時の頃からかずっとそうだった。

見た先の自分が、いじるに値しない派手でも地味でもなく、イケメンでもブスでもないということは、重々理解しているつもりた。


「うぃーグッモーニンイケメーン!」

と肩に肩を寄せてくるこの幼なじみは、自分のことをイケメンだから言っているわけではないのだ。