ぐわあああぁぁぁーーー!!!!
なんて暑いんだあーーーっ!!!!


もう30度である。朝から。
だから、今日は半袖でネクタイなしで、出勤した。
家から駅に着いた頃には汗びっしょりである。デブは汗っかきなのだ。

しかし!!!

おそれていたことが起きた。

電車の中は南極状態だったのだ。
寒ーーーい!!!!
冷房効き過ぎィーーーッ!!

それも、私が出勤する時間帯は、ちょうど電車が空いている。座れこそしなくてもゆうゆうと立ってられる。
空いているとすごく冷房効き過ぎて、寒いのだ!!
しまった!!上着を持ってくれば良かった!!

各駅停車に乗っているから、ゆうゆうと立ってられるが、急行はこの時間でも混み混みである。

でも寒い!
ちっとは考えてくれよ、車内冷房・・・
(弱冷房車に乗れよ>ワシ)

どーしよーかなー。
まもなく急行に乗り換えられる駅だ。
急行なら混んでいるけど、寒くないだろう。ぎゅぎゅうで暑いかもしれないけど、この寒さよりマシじゃねえか?

ええーーい!!乗り換えてしまえ!!

と、思ったら、
目の前に座っている女の人が立ち上がった。
いや、まさか、私に席を譲ってくれるわけではないだろうけど。
ああ、よく見れば、彼女も薄着で寒そう!
我慢しきれなくなって、急行に乗り換えるのだろう。

で、

私は、

ちゃっかり、そこに座らせていただきました!!




ぐわあああぁぁぁーーーーっ!!!!!!!
なんて寒いんだああーーーっ!!!!!!!

昨日、秋葉原に行ったわけだが、そこでアニオタの顔をして歩いてきただけではない。アニメのDVDを買った。行きつけの中古DVD屋に立ち寄って、買ったのが、アニメ映画「銀河鉄道の夜」(朝日ビデオ文庫)。
定価だと、5000円近くするが、中古で3500円。前から欲しいと思いつつ、高価な値段設定になかなか購入に踏み切れないでいた。日本映画のDVDは高いよね。アニメはもっと高いが。

「銀河鉄道の夜」は、言わずとしれた宮沢賢治の代表作。でも、実はこのアニメ見るまで、私、原作読んだことなかったんだよね。「風の又三郎」とか「セロ弾きのゴーシュ」とか有名なんだけど読んだことなかったのだ。雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ夏ノ暑サニモ負ケズ、とか言う詩は読んでたかな。
この映画の制作年は1985年。これはいわゆるアニオタ向けのものではない。昔々の作品だし、美少女は出てこないし、内容的にも文部省特選の作物である。昔劇場で見たときから好きになり、私にとってはこの映画を見たから宮沢賢治を読んだということが言える。

ストーリーは、インターネットの青空文庫というところで作品が読めるから、未読で本を持っていない、あるいは買うつもりはないという方は是非そこで読んでいただきたい。大体原作の通りである。
http://www.aozora.gr.jp/
(ちなみに、このページでは夏目漱石とか結構大家の作品は読めてしまう。著作権が切れているせいもあるだろうが。個人的には海野十三が充実しているのがうれしい)

映画の監督は杉井ギザブロー(最初の鉄腕アトムとかに関わっていた人だ)。脚本は劇作家の別役実。音楽がもとYMOの細野晴臣という豪華スタッフ。声優はクリリン田中真弓ルフィの他に金田龍之介や常田不二男などの俳優も入っている。DVDとしての映像の質だが、HDテレシネしてゴミなどをある程度デジタル処理で取ったりしているそうできれいに仕上がっている。劇場公開時の音声に加え5.1chサラウンドもリミックスで収録されている。

ところで、このアニメ、原作と決定的に違うところがある。
ご存じの方も多いだろうが、登場人物が全員「猫」に変わっているのだ。人間ではなく、猫にすり替えられている。
$Alakin Skywalkerのブログ-銀河鉄道の夜

その原案となるのはますむらひろしという人が書いている漫画。この人は宮沢作品を猫に置き換えていくつか書いている。アニメは少しタッチが変わっていて、お子様的にはなっている。ただし、映画はお子様からお年寄りまで楽しめる出来である。
登場人物のとぼけた味とか、何を考えているのかわからない不安定さという設定に「猫」がよく似合っているのだろう。しかし、何も気にしないで、この映画を見終わると、原作を未読の人は「宮沢賢治の銀河鉄道の夜というのは猫を主人公にした童話」と思ってしまう人が多いだろう。ま、それほどマッチしているわけなんだが。
上記青空文庫でもふれられているが、「銀河鉄道の夜」は宮沢賢治の没後に発見されている。原稿にナンバーが振っていなかったため、物語の順序にいろいろな説がある。たしかちくま文庫版宮沢賢治全集には、決定版以外に別の形のものも収録されている。何とも作品自体の成り立ちも不思議な空気が醸し出されているわけである。
そういう作品の味を、音楽的にも絵的にも大切にして作られた傑作である、これは。(一説によると、猫にしたことで不満の声もあるらしいが)

そんな不思議な空気が好きな人には是非オタになってほしい一品である。


そして、まもなく、同じネコキャラで制作した「グスコーブドリの伝記」が公開されますね。
主役ネコの声は、小栗旬だそうです。
前編は→こちら



まだ、バイアグラが日本で承認されていない、数年前の話・・・



承前・・・




性機能障害治療薬「バイアグラ」のアメリカ人向けを半分服用して、夜の街に繰り出した、私と友人である。

大体、予想が付くであろうが、お店に入って、女の子にいちゃいちゃしながら、されながら、
「実はさあ、俺たちバイアグラのんでるんだよねえー」
とか調子に乗ってのたまうのであった。
「え?バイアグラって?」
「はあ?君たち知らないの?でかくするクスリだよ、あれを」
「エー?あれって?」
「ほーら、今話題の・・」
これは友人で、私は、こういうところに来るのが基本的に好きじゃないので、ブスッとした顔で、水割りをがぼがぼ飲むだけである。
大体、どうして、こっちが金払っているのに、話題を提供しなくちゃいけないのだ?キャバクラって。
そっちから話題を作れよ。人が黙っていたら、話をしてもらうようにしむけろよ。客に気をつかわせんじゃねえ!
と、ますますブスッとする私に、女の子が水割りを作ってくれると、ついうれしくなる情けなさ・・(^_^;
「えー?あの、今話題のやつう?」
「そーだよ!」
「で、今でかくなっているの?」
おや?
そういわれてみれば、あまりでかくなってきたという自覚がないぞ。
それよりも、鼻が詰まってきた。花粉症の季節じゃないのに、すごい鼻が重い。
飲み過ぎか、頭もがんがんである。

鼻が詰まって、頭ががんがんって・・・

オイオイ、これが、もしかして、バイアグラの効果かよ!?
全然、あそこがでかくならないじゃん!
鼻がでかくなっちゃったよ!

バイアグラは最初、狭心症の治療薬として開発されたのだが、副作用として勃起現象が起きてしまった。最初、治験という、まあ平たく言えば人体実験みたいなもんで、やたらと患者さんたちが、先生!あのクスリ、もっとくださいと言うようになってきて、どうしてだか問いただしたところ、副作用が発見されたというような逸話もある。よって、狭心症以外に性機能障害治療薬としての開発が進められた。仕組みは、血管の筋肉を弛緩させることにより血流を増加させるみたいなもんで、心臓や血圧の治療を行っている人は、のんではいけない。心臓が悪くて、ニトログリセリン(爆発する方じゃなくて、心臓の薬として使っている方)などを服用している人が、バイアグラをのむと確実に死ねる。

しかし、あとで知ったことだが、のんだだけでは「その現象」は起きないらしい。やはり、それ相応の刺激を持たなくてはダメで、やはり「起たない」人のための薬なので、健常人がのんでも「普段よりでかくなる」なんてことはないようである(当たり前だ)。

それどころか、のちに、バイアグラに詳しい人に話を聞く機会があったのだが・・・




ーーーーーーーーーー◆ーーーーーーーーー




「まさか、ガイシャが女だったとはなあ」


「全くですね。ボクは忘れられませんよ。あの逸物がズボンの中から飛び出したときは」

「ははは」

警部と田中刑事は、事件解決の手助けをいつもしてもらっている監察医、与田司代(よだ・じだい)の家に来ていた。彼は医師でありながら名探偵とも言われている。

「バイアグラの密輸をしている悪質な女密売人だったとはね、あそこに住んでいるのが」
「隣の、ちょっと綺麗な若奥さんも驚いていましたね。我々の説明を受けたときには」

例の、高層マンションで死んでいたのは、実は男ではなく、麻薬やバイアグラの密売などで、指名手配されていた女密売人だったのである。オトコに化けて、逃げ回っていたのだ。
鑑識の女性が、ズボンのチャックを開けたところ、天狗の鼻のような逸物が飛び出した。それも金属色に輝くすごい奴であった。一瞬、現場は驚きと羨望でどよめいたが、よく見ると作り物だったのである。それは、男装するための道具でもあり、密売しているバイアグラをその中に隠す入れ物でもあった。X線を通さない金属でできていたのだ。
その天狗の鼻を外したら、見えたのはピンクの花柄のショーツ。出てる所も出てない。ガイシャは女性であることが判明したのだ。
付け加えておくと、女密売人はぺちゃぱいだったことも功を奏して、近所の人はみんな「ちょっといい男」と思ってしまっていた。

「彼女は、バイアグラを試しにのんでみたのですね」

与田は語った。

「女性が?」
「ええ。バイアグラをのむと女性がどうなるか。それを試してみたかった」
「しかし、死んでしまった」
「そう。彼女は、心臓が悪かったらしく、医師からニトロを処方されていました。これでは、自殺と同じですよ。バイアグラは、絶対心臓の薬などと併用してはいけません」

当時は、まだ日本で認可されていないバイアグラだったが、今では商品の情報を見ると真っ先に「禁忌」として、それらのことは注意書きがされている。

「それとね、警部さんや田中君がもしものむとき、気をつけて欲しいんですが・・」
「え?いや、ボクはのみませんよ!・・警部は??」
「え?いや、そりゃ、オレだって、うん・・いや、のまんよ」
「気をつけて欲しいんですが、お酒を飲んでいるときも、絶対にのまないでください。死にますよ。彼女も、お酒が入っていました。もしかすると、酔っていなければ、バイアグラをのむとどうなるかなんて、バカなことを試さなかったかもしれない」
「心臓悪くてクスリ飲んでいるのに、酒を?」
「人間、いろいろ悩みを持っています。悪人だって、いくら体が悪くても、酒で忘れたいこともあったでしょう」
「なるほど・・」

うなずく、警部と田中君。

「そうそう、この前もね、ボクの友人に軟派男と硬派男がいるんですが、その二人、酔っぱらった勢いで、個人輸入したバイアグラをのんで遊びまくったらしいんですよ」
「え?そのお友達はどうしたんですか?」
「ははは・・ピノキオみたいに鼻がでかくなって、と言うか鼻づまりになったくらいなんですがね、あっという間に二日酔い状態になれたらしいですが、ヘタすると命取りでしたよ。きつく釘を刺しておきましたがね。やっぱり、病で悩んでいる人を救うのがクスリなんですから」
「困った人たちもいるもんですね」
「ホントに・・はははははっは」

明るい、さわやかな笑い声が、事件の解決を物語っていた。

これにて、一件落着。


(おわり)


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