東京公演と大阪公演の狭間で


SNSより過去記事を移行しております

漆黒天「始の語り」月明かりの下で旭太郎と來が話しをするシーンがとても好きなのです。 
…鳴ってる音楽が「終の語り」で九善坊を殺めるシーンと同じ楽曲なんですよね。
照明や音楽の美しさという意味でも、この來との対話シーンが好きなのですが。旭太郎が大切にしているものを感じられる、という意味でもとても重要な場面であるように思います。 

旭太郎はどうして九善坊を殺めてしまったのか。 
ずっとそれを考えていて。 

少年旭太郎はいつか殺してやると言いながらも仮面を作り、いざ刃を持つ手は震えている。笑えと言われて。「笑って過ごす日向の自分」を夢に見るごとに、笑えない自分を知る。 

震える手を振り下ろし、仮面を付けて新たな世界へ踏み出した時、月が見えていたのではないか…。 

日陰者として生まれても、ひなたで生きる連中よりも真っ当な人生に。 
それを追い求めて。 

月日が経ち、同じ月明かりの下で仲間たちから「世からあぶれちまったはみ出し者たちの鎹、光なんだ」と言われる。 
なんだかもう切なくて切なくて。 

旭太郎の心が少しだけ見えてくるような気がします。 

東京終盤の公演を観ることが出来たからこそ感じられたように思いますし、だからこそ大阪公演が楽しみでなりません。どうか、ご無事で幕が上がりますように。