「にっかり青江単騎出陣」
2022秋-三重公演
9.29(木) 柿安シティホール(桑名市民会館)

 

帰路につきながら、じわりじわりと今日の公演が染みてくる。溢れてくる。1388席の立派なホール、3階席からは正直ステージの最前が欠けて見えたり、手すりで表情が見えないこともままあったけれど。
凄かったなぁ…あぁ凄かった。

天井席からの眺めでは、神様が下界に降り立ったように見えた。硬質な肌触りから心を成し徐々に柔らかくなっていく。ごうごうと吹く風の中でも鮮やかに立っている桜のように。誇り高く、優しくて、少し孤独に見えました。

スポットライトの幕がオーロラみたいで。
その光の膜を月から陽へ、辿ってたどり着いたのは三百年の戦友たち。今日自分が忠勝公の像を前にした時のように、大地に抱かれているような感覚。そんな大きさが蜻蛉切さんや皆から溢れていて。全てを分かっていて送り出してくれる仲間に託す想い。託される想い。

剣舞。
これは忘れられないと思います。
出立前に本丸を見上げて微かに笑う。
天から身体に降り立つ心。
そして…鞘から抜いた刀身はある所で、にっかりさんの手から居なくなってしまったんです。ほんの一瞬、時が止まったかのように見えた。でもその後が凄くて…。キリリと吊り上がった目尻からは妖艶ともいえる緊迫感が溢れ出て、舞い続ける。指先から青白い炎が放たれているかのように、幻の刀身が鞘に納刀される。静謐に。
チンッという音が心の中で鳴る。堰を切ったかのような拍手。3階席まで。すごかった。少しでも勇気づけて送り出したかった。

初めて観た方は演出だと思ったのじゃないかしら。美しく旅立ち、手遊びで腰に戻っていたから。

幕開き直前まで少し散漫としていて、雨音も聞こえないくらいざわざわしていた客席が。その後、一体になって、一生懸命に手遊びを楽しんで、想い出話に笑いあう。
にっかりさんの旅を見守る。

もっと力があれば。
その先へ。
守りたいからこそ。ひとりで。
一人きりで答えを見つけようとする。
彼岸と此岸の狭間で。

刀剣男士。
張り詰めた心。
ずっとそばに居てくれた存在。
溢れ出る想い。
感情の波が言葉を紡ぐごとに伝播して揺らめいて強くなってゆく。

刀剣乱舞
強く強く鍛えし鋼
今 解き放つ時

歌が声が心が、力強く真っ直ぐに届いて。
私の心臓を貫いて響いて燃え盛る。
誇り高く立っている。
全てを受け入れて背負って。
そんな姿に涙が溢れてしまう。

祝祭の歌。
遠くまで届けてくれて嬉しかったな。
なんとも言葉にならない幸せ。

カーテンコール、1,2階席は全く見えなかったので分からないのだけれど、3階席は熱いスタオベ。波のように高まる拍手が温かくて。嬉しそうに見上げたにっかりさんの様子に胸がいっぱいになりました。

届いたかなぁ、拍手。
なにも返せるものがないけれど。
この素晴らしい演劇を見せてくださる一座の皆さまと、歓迎してくださっていた桑名の皆さまと、そして荒木さんに心からの感謝を。

まだこんなにも深化するのかと。
まだこんなにも知らないにっかりさんが居るのかと。

今日しか会えないにっかりさん。
何かが起こってもそれを覆す強さがある。荒木さんとにっかりさんが共に積み重ねてきた旅。ありがとうありがとう。

荒木さんを好きで幸せです。
旅を最後まで駆け抜けられるよう、心から祈って応援しております。

 


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