「にっかり青江単騎出陣」
2022秋-埼玉公演
9.16(金) 和光市民文化センター


今日も幕が上がる。
嬉しさを噛み締めながら、初めて訪れる土地和光へ。都心から40分くらいなのに、やはり三軒茶屋とは違うアットホームな雰囲気。あぁ青江単騎これこれ!とほっこりしながら劇場周辺の市営施設へ。汗ばむほどのお天気と、芝生の公園、子供達。太陽。

1時間前に到着した劇場前には、青江くんのワイシャツを着た男性や、お母様と応援しに来てくださっている娘さん、お友達同士が待ってらして。会場内もなんだか温かくてほっこりする雰囲気。
小声でこしょこしょされていた方々も、1ベルのアナウンスですーっと静寂が訪れる。シンとするというよりは、ワクワクして息をひそめるみたいな。待ち望んだ開演。

光とともに降り立った神様は、何も見えていないようだった。空を見てうっすら微笑む時もあるけれど、今日はまっさらな魂が降り立って、刀の周りをふわりと舞って、人の形に顕現するみたいな。だからこその、歌。

噛み締めるように、しっかりと伝わるように届けてくれた言葉たち。今日は全体的にゆっくりと話してくれた気がして。
そして観客席との対話。ひとりひとりの顔を見て、瞳で会話をするような。にっかりさんの言葉に笑ったり、解れたり、ハートフルなお客様だったからこその、にっかりさんが観れて、あぁ単騎公演の幸せよ!と思いました。

印象的だったのは講談の元忠。
普段は成熟した家老が全てを察して進言するように聞こえるのだけれど。物吉くんの優しさが滲み出ているような元忠で、ものすごく切なかった。相手を気遣う優しさ、いざという時の強さ、笑顔。絵巻物を広げたような抑揚ある講談調も交えつつの、ミュージカル刀剣乱舞 にっかり青江だからこそ、6振りであの時代を支えたからこその講談。

やっかいだよね、心って…。
ゆっくりと深くこぼした言葉。
薄い幕で境界線を引いて何かを怖がっているみたい。
ひとり強い思いで告げる旅立ち。
腕の中に、そして天に向かって背伸びをするように歌う子守唄。
楽しかったなにもかも。

今日のにっかりさんだからこその、心の薄い薄い幕の内側に居た内気な幽霊さんは、可愛らしくもあり、そら恐ろしくもあり。
薄ら寒く、恐ろしく、時に大きな存在として宙に浮かび、陰陽の世界どちらにも誘惑するような。
(映像のことではなくお芝居で、あたかも宙に舞うように脳内補完されるんです)。

苦しんできた過去、癒えない傷、焦燥感と絶望。
「恐れて…たんだ」
誰にも言えなかった気持ちを吐き出した時の、感情の洪水。涙が溢れて。凄かったなぁ。

そして戻ってくる時の言葉、嬉しそうだったなぁ。帰れるのが楽しみでならないっていうのが声色から溢れていて。これは初めて感じた印象でした。
姿が見えた時の、美しく強い大脇差。刀剣乱舞。とっても良かった…凛々しくて誇らしくて。伸びやかで心強くて艶やかな歌声。

祝祭の歌、一人一人の顔を見て、花が咲くように笑いながら大切に歌い納める。この日、この観客だからこその一日を大切に想うように。

終演後、2回目のカテコ前に待ちきれない!って感じで皆が次々立ち上がって…。スタオベ万雷の拍手で出迎えられて、最初は驚いたように眉を下げて。そして嬉しそうに、ゆっくりと堅実なお辞儀。3回目も波が押し寄せるような拍手と笑顔。温かくて熱い一体感。

終演後、幕が降りた時。
緞帳が満開の桜だったんです。
川沿いに咲く満開の枝垂れ桜が、美しく風に靡いて目の前に広がる。にっかりさんが長い旅路を経て、本丸に帰ってきてくれたような…あぁ幸せ!

いつもありがとうございます。
この先に続くにっかりさんと荒木さんの旅路。
これからも素敵な景色が広がりますように🌸✨
応援しております。


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