「スーパー戦レジェンドサーガ」・第1章
物語の始まりは、ゼンカイジャーが活躍する以前の出来事。何者かが歴史の流れに介入し、歴代スーパー戦隊の身に未曾有の危機が迫っていた…!
2020年某日のジェットマン世界。夜のしじまの中で敵の軍団と激しい戦いを繰り広げてた鳥人戦隊ジエットマンの四人。既に殆どを倒したものの、この親玉と思われる正体不明(姿が影で覆われてる)の男に手こずっていた…。
やがて、男が左手から放ったビームがイエローオウルとブルースワローに命中する!
オ・ズ:うあーっ!
ボ:雷太!アコーっ!
男の電磁系主体の攻撃。その強烈さから遂に二人が倒れ、動けなくなる…。
これを見、叫びながら再び男に立ち向かうレッドホークだったが、成す術無く返り討ちに遭う…。
ス:貴方ーっ!
男:ジェットマン、貴様らにも遂に終わりの時が来たようだな
ス:何言ってるの…勝手に終わらせないで!
ホ:香、止せ…!
ス:いいえ、まだ戦えるわ…私だってジェットマンなのよ!
傷付きながらも、ジェットマンとしての使命を果たすべく再び立ち上がったホワイトスワン。男のビーム攻撃にも怯まず猛進後、空中戦法からの剣撃、更にはスワニーアタックと猛攻し、後退させる。
しかし、これが男の逆鱗に触れ、彼女は爪型の武器による強烈な一発でひざまずいてしまった…。
ス:ううっ…
ボ:香…!
男:女、威勢はなかなかだな。だが、只では済まんぞ…
ホ:この…!
首を締め上げられ、苦しむスワンを助けるべく、後ろから男にタックルするボーク。これに成功したが此処である決断を下す!
ボ:香、お前は逃げろ!
ス:そんな…皆を置き去りにするなんて出来ないわ!
ホ:駄目だ!解ってる通り今、スーパー戦隊に危機が迫ろうとしている…それでも世界の未来と希望を繋いで行くには、一人でも多くの戦士が残らないといけないんだ!
ス:貴方…
男を押さえながらの、ホークの必死の叫びがスワンの胸に重く突き刺さる。
やがて攻撃され始めるホーク…それでも彼はスワに叫ぶ。
ホ:行けーっ!
(頷いて逃げるスワン)
ホークの渾身の叫びを聞き入れ、命からがら逃げるスワン。だが一瞬振り返ると、その目には完膚無きまでに攻撃されるホークが映り…。
ス:ごめんなさい…貴方、皆…
後ろめたさを感じながら逃げるスワン。
その後もゴーグルビクトリーフラッシュを決めたゴーグルファイブ、ニュースーパーダイナマイトを決めたダイナマン、名乗り向上後に戦ってたハリケンジャーたち、そしてシルバーを除いたゴーカイジャーが次々と姿を消した…果たして、歴代のスーパー戦隊に何が起きたのか…?
そんな脅威が、ゼンカイジャーたちの身にも刻一刻と忍び寄っていた…。
代わって舞台はゼンカイ地球。日中、突如として某ターミナルに出現した悪の集団…よく見れば歴代悪の組織の戦闘員たちだ。
介:うわっ!いきなりヤバさと半端無さ全開かよ…
ジ:これ、どう言う状況…?
セ:ワルドが一体二体…ギャーッ!よ・よ・44体もいるっチュー!
駆けつけるなり、この光景の凄まじさに圧倒されてしまう介人たち。
ガ:奴ら、失敗続きで普通にシビレ切らしてるだろうから、きっと思い切った作戦でも取らなきゃヤバいんだよ
マ:ヌヌヌ…アクセル踏むどころか寧ろ大暴走!えげつ無さがまます度を越したーっ!
ブ:それにしても、こんな予想の斜め上を行く手段、一体誰が考えたんでしょうか…?
ジ:んな余計な疑問も詮索も不要だっつの
セ:そうそう、ただの迷惑行為だっチュ!
無論、戦闘員たちの事など知らない介人たち。しかし、この男に数々の疑問は全く関係無い。
介:敵がどんだけ現れようが、どんな汚い手を使って来ようが関係無いよ!俺たちは絶対、コイツら倒す!皆、行くぞ!
(気合いを入れるジュランたち)
5人:チェンジ全開!
ギアトリンガーに各センタイギアを装填した五人が、ハンドルを回してゼンカイジャーに機界変身!
カ:全力全開!
各々が力や能力を駆使し、かつ時折、戦闘員たちにツッコみながら戦う中、ゼンカイザーが22番のセンタイギアを取り出す!
カ:よし、これ使おう!
ギアを使用した所、五人にあるパワーが宿る!
セ:星獣戦隊ギンガマンが持つ星の力・アースっチュ!自然の雄叫びを轟かせるっチュ!
炎のたてがみ、風の羽ばたきなどの同時アース攻撃で半分ほどの戦闘員が消滅した。
マ:あら、呆気な…
カ:あれ?でも一気に纏めて倒せるなら、これで行こう!
続いては1番のセンタイギアを使用。ゼンカイジャーハリケーン発動だ!
マ:行くよガオーン!
ガ:よし、ブルーン!
ブ:ジュラン!
、ジ:そんで介人、お前に繋ぐぜ!
カ:よっしゃあ!今日はSPなキーック!
四人のパスで繋がれたハリケーンに強烈キックし、戦闘員たちに次々とぶつけて行くゼンカイザー!
カ:勝つだけに、ゼンカイジャーハリケーン・カツ丼!
次々とカツ丼爆弾に変わって爆発して行く戦闘員!これで全て倒したが…。
ジ:しっかし、全く手応えが無ぇワルドなんかぶつけてきやがって…アイツら何考えてやがんだ?
カ:何て言うか、クダック並みだったよな
(頷く3人)
当然ながら、呆気無さに違和感を覚える五人。すると新たな歴代戦闘員集団が、しかも数を増して出現する!
セ:キャーッ!また出たーっ!
ガ:てか、さっきより増えてるよね…?
ブ:不思議ですねぇ、色々謎だらけですねぇ~
カ:それでも、俺たちがやる事は変わらないよ!行こう!
再び戦闘員たちと戦うゼンカイジャー。
カ:皆、きっとコイツらも大した事無いよ!フィニッシュバスターで行くぞ!
4人:おう!
各々のセンタイギアを使用し、ギアトリンガーを操作する五人!
5人:必殺全開!ゼンカイフィニッシュバスター!
ゼンカイざザーの読み通り、全ての戦闘員集団を撃退出来た!
カ:やったか…?
改めて正面一帯を確認する五人。だが今度は多数のザンギャック艦隊が出現!それを率いてるのは無論、あのワルズ・ギルだ!
(微笑むワルズ・ギル)
カ:誰、お前…?
ワ:俺はかつて、ザンギャックと言う組織を率いたワルズ・ギルだ。貴様らがゼンカイジャーだな?
カ:そうだけど?
ワ:貴様らの事は既にリサーチ済みだ。さぁ、俺が十年の時を経て復活した事を大いに喜べ!
ジ:悪ノリが過ぎる奴だか何だか知らねぇがな、何も嬉しくねぇっつの!
マ:要らない大量生産わざわざどうも!一体、何がしたい訳さ?
ワ:スーパー戦隊から味わされた耐え難い積年の屈辱、悉く散った同志たちの恨みを、貴様らを倒す事で晴らしてやるのさ!さぁ、行けーっ!
思いの丈をぶつけ、部下たちに襲撃を命じるワルズ!
数や威力に圧され、次第に劣勢になる五人。すると、コンテナの上に女性らしき謎の人影が…。
(戦いを見つめる人影)
戦いを見つめつつ、掌に謎のギアを召喚する人影。そして…。
ジ・ガ:うっ…うあーっ!(わあーっ!)
マ・ブ:あぁーっ!(うわあっ!)
カ:ジュラーン!皆ーっ…!
セ:何が一体、どうなってるっチュ…!?
ワ:くっ…!
戦いの中、悲鳴を上げて忽然と姿を消したジュランたち….突然の出来事に訳が解らないい様子のゼンカイザーとセッちゃん。
一方のワルズは不満気だが、そこへ先程の女が姿を現した!
(歩み寄って来る女)
(女を見るゼンカイザーとセッちゃん)
不敵な笑みを浮かべる女。漂う緊張感の中、ワルズが苛立った様子で彼女に詰め寄る。
ワ:レアル…よくも折角の大イベントの邪魔をしてくれたな!
レ:ザンギャック皇帝のどら息子、あのお方の命令に叛くとは何様だ?
ワ:この…誰がどら息子だ!
レ:貴様らの目的は私のサポートだ。とにかく、余計な真似はするな!
ワ:くそっ…お前ら、下がれ!
ワルズを軽んじる女幹部レアルとは一体…?
指示に納得いかずも渋々、これを受け入れ、たワルズ。するとゼンカイザーが話に割って入る。
カ:お前、一体誰?まぁ普通にトジテンドの新しい幹部なんだろうけどさ
レ:貴様…我々をあんな奴らと一緒にするな!
ワ:全くだ、不愉快極まり無い!
(驚くゼンカイザーとセッちゃん)
ゼンカイザーの発言で不機嫌になるレアルとワルズ。
レ:間違えられるのは癪だから教えてやる。我々は魔導伯爵シュオーツァー様を首領とする連合組織だ
カ:シュオーツァー…?何かよく解んないけど、絶対倒さなきゃなんないな!
ワ:どの口が言う!
新たな脅敵の出現…その目的とは果たして?
カ:ねぇ教えてよ。お前たちの目的って何?それと、ジュランたちをどうしたんだ!?
ワ:フッ…それはだな、シュオーツァー様が…
(ワルズを睨み、ケツに蹴りを入れるレアル)
ワ:ぐあだっ!
レ:この…余計な事を言うな!
ワ:そうだったな…(汗)
カ:参ったな、かなり厳重に箝口令が敷かれてんのか…
組織の厳しいルールに従順なレアル。すると此処で、セッちゃんがある事に気付く!
セ:介人!もしかしたら、あの怪人たちはゼンカイジャーをおびき寄せる罠だったかも知れないっチュ!
カ:ええっ!?
レ:御明察。賢いロボットだな…だが、今更気付いても遅い!
真の作戦を完璧に遂行すべく、多数の戦闘員集団やザンギャック艦隊をぶつけたレアル。そして再び、ワルズに指示を出す。
レ:さて、さっさと続きと行こうか。ただ、奴は大切な獲物だ。決して手荒な真似はするな
ワ:解っている!さぁお前たち、行け!
レアルの気になる指示の下、再びザンギャック集団を向かわせるワルズ。
その猛攻に、一人ゆえ体力的にも人数的にも遂に防戦一方となるゼンカイザー…。
レ:トジテンドは余計な事をする邪魔者だが、奴らの存在でゼンカイジャーが誕生したのは嬉しい…いや、素晴らしい誤算だった!
戦いを見つめ、また気になる事を呟いたレアルが所持してたピストルをゼンカイザーに向ける。赤外線で照準を合わせ、撃つ準備も出来た。
一方のゼンカイザーは、そんな事にも気付かず必死に戦っていた!
カ:勝手に俺たちでもて遊んで、勝手に俺の仲間消しやかって…お前ら絶対許さねぇからな!
ワ:ほざけ!
怒りのゼンカイザーがワルズに立ち向かうも、艦隊の援護も付いた連続攻撃を受け、あっけなく返り討ちに遭い、ダメージから変身も解除してしまう…。
介:ダメだ、ピンチ大全開…(汗)
セ:介人…
この隙に介人を仕留めようとするレアル。だが、それを,あの男が狙撃で阻止する!
レ:…!?
ゾ:ヨホホイ ヨホホイ ヨホホイホ~イ♪
ワ:…?
ゾ:トジテンドじゃねぇ 謎の奴らは一体何者~?♪
介人の窮地を救ったゾックスにより中断される戦い。
介:ゾックス…
レ:何だ貴様…?
ゾ:俺はゾックス・ゴールドツイカー。それよりお前、誰か知らねぇけど面白そうなギア持ってんな。頂くぜ!
レ:何…誰が貴様なんかに!
ワ:小賢しい…お前ら、アイツもやれ!
ゾックスの態度に怒ったレアル。そしてザンギャックが差し向けられる!
ゾ:んじゃ、こっちも痛快に行かせて貰うぜ…チェンジ痛快!
ギアダリンガーにセンタイギアを装填したゾックスが、ハンドル操作後にダンス変身!痛快に立ち向かう!
ツ:ヨホホ~イ!
ワ:アイツ、ゴーカイジャーか!?いや、あんな奴はいなかったはずだが…?
レ:いや、あれは奴らの紛い者のツーカイザーだ
ワ:くっ、海賊の海賊版がヒーロー気取りか!
ツーカイザーの戦いの一方、介人はフリントたちに助けられていた。
フ:大丈夫か?
介:ありがとう。助かったよ…
リ・カ:頑張れ兄貴ーっ!
フ:所でアイツら、一体誰なんだ?こんな時に四人は何やってんだよ?
介:二人はシュオーツァーとか言う奴の部下だってさ。ジュランたちはアイツらに捕まっちゃった…
姉弟:シュ、シュオーツァー…!?
セ:知ってるっチュか?
フ:姿、形は知らねぇけど相当ヤベェ奴だぞ…一人で沢山の星や世界を滅ぼしたらしい…
世界を旅し続けてるからか、シュオーツァーについて知っていた姉弟。フリントの話が介人とセッちゃんをビビらせる…。
カ:奴の姿を知ってる人は誰もいないらしいんだ
リ:都市伝説だけど、次元を越えて来た怪物とか、機械生命体とか噂は様々だよ
介:そんな恐ろしい奴が俺たちの前に…(汗)
シュオーツァーの脅威に戦く五人。
そんな中、ツーカイザーがジュウオウザワールドの武器・ジュウオウザガンロッドを豪快に駆使し、張り切って戦ってるが、此処でレアルの元に連絡が。
レ:はい、シュオーツァー様…了解しました、すぐ戻ります
ワ:どうした?
レ:シュオーツァー様からだ。この世界を出るぞ
シュオーツァーの命令により、レアルとワルズはこの世界を離れる事に。
レ:どうやら、我々がこの世界に長居する理由が無くなった
ワ:今の所はこの位にしといてやる!
(二人を見る一同)
レ:此処で全員を仕留めきれなかったのは悔いが残るが、リベンジは必ず果たす。残った戦隊と一緒にな!
フ:は?言ってる意味が全然解んねぇぞ!
リ:そうだそうだ!
カ:ちゃんと説明しろーっ!
介:それと、ジュランたちをどうする気だよ!?
(不敵な笑みを浮かべるレアルとワルズ)
三度続くレアルの謎の発言…そして彼女は異空間に繋がるゲートを開き、ワルズと共に中へ消えて行く…。
介:待てって!
フ:おいっ!
セ:介人ーっ!
ゲートが閉じる寸前、走って中へ飛び込む介人。
ツ:何やってんだアイツ‥!
介人の行方が気が気で無い五人。この行動が今後、ゴールドツイガー一族を更に大事に巻き込む事に…!
やがて、介人が辿り着いたのは人もそれなりにいる至って普通の噴水広場だった。
介:あれ‥此処って地球?レアルたちは…?
普通に地球、もっと言えば日本の何処かにしか見えないこの世界‥一体此処は…!?
場は変わり、ブラックとシルバーを基調としたダーク感漂うアジトで謎の黒い男が後ろ向きに輝く天井を見つめてると、レアルがやって来た。
男:レアルか…?
レ:申し訳ございません、シュオーツァー様。とんだ邪魔者に阻まれてしまって‥
男:(振り返りながら)機界戦隊ゼンカイジャーか‥
レ:はい‥
男:まぁ良い。残りの奴らなど後でどうにでもなる。ただ、我が崇高なる目的のために決して手を緩めるな!
レ:はっ!そのために全てのスーパー戦隊を必ず!
この男こそ、魔導伯爵シュオーツァー!彼は何を目的に全ての戦隊を捕らえようとするのか?
彼が意気込む中、レアルがある懸念を示す。
ジ:俺の力とお前たちの優秀さを以てすれば、誰にも計画の邪魔は出来ん!
レ:ですが、仮に奴らの襲撃、もしくは戦隊の生き残りたちが反撃するような事があったとしたら‥
シ:案ずるな。その対抗策として大勢の幹部や怪人たちを復活させたのだ。そして、新たな俺の身体となった器…死してもなお最強の力を持つ、この魂の覚醒も近い!
シュオーツァーは実態を持たず、より強い力を持つ者に憑依して暗躍する…その存在の程度は介人たちの想像を遥かに越えてそうだ…!
次回は、別世界にて展開。