放送大学の試験結果を母に報告し、父の仏前にも報告しました。
母は喜んでくれました。
最近、私がめっきり不調でしたので。


さて、今となっては確かめようのない父の反応ですが。
放送大学の試験合格なら、喜んでくれるだろうというのが
母の見解。
そうだろうな、と思います。
でも。資格試験には批判的だったんだよね~
なんでだろう?

大学と言えば、私が社会人になって大分経ってから、
「お前は大学くらい行くかと思っていた」と発言が
ありました。


いやいやいや。普通の県立高校から国公立なんて無理に
等しいし、そもそもうちは学費貯めてなくて、丸井に借入の
相談に行って、親切な店員さんに「借りない方がいいですよ」と
諭され、短大入学後はテキスト代を私の貯金崩して
払ったくらいで、新規オープンキャンペーンで
半額サービスのときに、一時的に春期のみ予備校に通ったのみで…………
そんな経済状態だったので、父の言葉には驚きました。

あの頃、放送大学の仕組みが現在ほど確立されていたら、
大学入学も夢じゃなかったかなあ。
現在の放送大学の授業レベルは、そこそこだと思います。
少なくとも、私が通った短大よりはかなりレベル高いです。

父自身は中卒で東京に出てきた人でしたが、学歴
コンプレックスがあったとは思えないんです。

しかし、子どもにはひそかに大学進学を期待し、
資格試験には批判的。
謎です。

それと、母と話したんですが、好きな異性のタイプも
わからないままでした。
見た目が好きじゃないタレントさんや有名人の話はして、
そのたびに私が「持って生まれた外見のことは
言うものじゃないよ」と諭していました。
好きな女優とかいそうなものですが、一度も聞いたことがなく。
俳優では、そりゃもう高倉健さんです。
健さんが、「誰かを想わなかったわけではないんです」と
本に書いていたという話をしたとき、父は「吉永小百合じゃ
ないかと思う」と言っていました。
それで私は、「あ、吉永さんは嫌いではないんだな」と
思いました。
私は、中野良子さんかなー?と想像していました。
が、高倉健さんが誰を想っていたかはどうでもいいんです。
あの人に、大切に想う人がいたということが大事なんです。

父の女性の好みも謎のまま。


仕事を辞めて、家にいるようになり、唐突に伊藤若冲ファンに
なっていました。
でも、どの絵が好きだったのかはわからないままです。

昔気質の男の人って、自分語りをしないものなのでしょうか。

ヤクルトスワローズが好きな理由も、はっきりわからないまま。
でも、とにかく国鉄時代から好きなんだそうです。

あ、フランク永井さんが好きな理由はわかる。
低音で上手い。

謎な人でした。


唐突に日本画に興味を持ったのと同様に、宇宙のことにも
興味を持ち出していました。


だから、放送大学の仕組みに慣れたら、そういった
科目を受講して、父と話をしたいと考えていたんです。

もう、そうするかいもなくなってしまいましたが……

謎だらけ。
でも、本人が語る気分じゃないなら、あえて訊かなくて
正解かなと思います。


しかし、なんで資格試験はあれだけイヤミを言われたんだろう……
自分の稼ぎで、勉強中もそんなに大騒ぎせず、ひっそり
受けていたんだけどなあ……
あ、社労士だけは違ったな。
……社会保険労務士試験は、今後、おそらく受けないと
思います。
勉強してきたことは無駄じゃないと思いますが。


色々考えてきて、結局、「お前は大学くらい行くかと
思っていた」という言葉どおり、私は現在放送大学生
なんですよね。
父に言われたからじゃないですけど。

意外と、ちゃんとした理由に気が付かず、人は色んな
選択をしているのかもしれません。

なんとなく、父の謎についてたくさん考えてみました。