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小田原のアラベラです。

 

先日、曙太郎さんが死去されたことをブログに

書きました。

そして、その時に私の尊敬するある方から、

 

<力士の方って普通の人の倍くらいあるのに、

どうやって飛行機(狭い席)に乗るのでしょうか?

また飛行機のトイレ(狭い)に座れないと

思うのですが、トイレに行きたくなったら

どうするのでしょうか。>

 

このような質問をいただきました。

 

ということで、今日は少しですが、

私が経験したことを書いてみようと思います。

 

先ず、私が大相撲協会のヨーロッパ場所に

添乗員として同行したのは1992年?頃です。

30年も前のことだということ、最近の状況、

やり方とはきっとかなり違うということなどを

ご了解いただいたうえでお読みいただければと

思います。

この写真の中の地図で〇印がついている、

スペインのマドリードとドイツの

デュッセルドルフに半月くらいの巡業でした。

 

 

飛行機の中での様子ですが、当時は幕内以上の

力士や確か親方衆はビジネスクラスを利用、

それ以下の番付の力士や付き人は

エコノミークラスでした。

ビジネスクラスはひとり1席でしたが、

エコノミークラスはひとり2席を使いました。

(旅行会社の立場から言うと、一人で2席

使用するということは予約するのもいろいろと

手間がかかります。2席分なのに、搭乗者名簿は

一人の名前なのですから…!航空会社、特に

外国の航空会社は混乱してしまいます。)

 

日本とヨーローッパの間の長距離路線の

機内では、当時の若貴兄弟(若花田、貴花田)、

武蔵丸関、安芸乃島関くらいの体格の人は、

何とか機内のトイレに入れていたようでした。

もちろんかなり窮屈だったと思われますが…。

 

ヨーロッパ内を移動するフライトでは

(スペインからドイツへ)機体も長距離路線より

少し小さくなりますので、座席割りがもっと

大変になります。

 

私が鮮明に覚えているのは、当時体重が

200キロを超えていた小錦関は、

機体の最後列の中央の3席を一人で使用して

いました。

ヨーロッパ間のフライトでは、ほぼ全員が

エコノミークラスだったので、その時は

一人で2席使用でした。

 

それから、全員を同じ飛行機に乗せてしまい、

万一のことがあると、日本の国技でもある

<大相撲>が消滅してしまう恐れがあるため、

全員を均等に(人数だけではなく番付上も)

2分して、2機の飛行機に分散していました。

リスクヘッジというわけです。

 

横綱も大関もみな半分に分けて別の飛行機で

移動しました。もちろん協会の理事たちや

親方衆、行司さん、呼び出しさん、床山さんに

至るまで、すべて2つに分けて別々に。

 

また、先輩添乗員に聞いた話では、もっと昔、

ブラジル巡業?の時には長時間になるので、

搭乗前に注射を打ったとか打たないとか…  

なんてことを聞きました。

今となっては何の注射かわかりませんが、

お手洗いにあまり行かなくても済むような

モノだったとか…。ほんとかどうかは

わかりませんが。

 

皆さんもご存知のように、大相撲の世界は

実力の世界です。

<番付がすべて>という世界ですから、

飛行機の座席も、すべて番付順です。

つまり番付が1枚でも上なら座席も前の方と

いうわけです。

 

最前列は理事長クラス、そして親方衆、それから

横綱、大関、関脇、小結と続き、前頭は筆頭から

順に下位へと座席が決まります。

 

ホテルの部屋もっ番付が上なら上の階、

したなら下の階が割り振られます。

年齢や年数には一切関係ない厳しい世界です。

 

もう一つ面白かったのが、朝の集合の時でした。

朝、出かける時にホテルのロビーに集合して

もらうのですが、番付が下の人は、上の人より

先に来ていないといけないという暗黙の?

風習があるようでした。

つまり、自分より番付が上の人をお待たせしては

いけないということです。

 

朝、<9時にホテル出発予定>とすると、まず

付き人クラスの若い力士たちがもう8時前には

ロビーに降りてきます。

8時を過ぎるともう平幕の力士が…。

8時半くらいになると幕内上位の力士や、

そろそろ3役力士が下りてきます。

8時45分くらいには大関、横綱クラスが、

そして集合時間の5分前には親方衆と

理事長たちが。

 

人数が多いにも関わらず、毎日出発時間は

定刻という添乗員としては時間管理については

比較的楽なグループでした。

それ以外のことでは、かなりハードな旅行でした。

 

ご質問の答えになったでしょうか?

また、機会があれば大相撲の巡業について

ご紹介できればと思います。