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小田原のアラベラです。

 

昨年12月に<錣山親方>が亡くなり、

個人的には結構ショックを受けていたのですが、

今度は第64代横綱だった<曙太郎>さんが

54歳の若さで亡くなられました。

 

私より若い方が亡くなるとショックですね。

 

外国人力士の横綱第1号でした。

 

以前のブログにも書きましたが、1992年頃に

大相撲のヨーロッパ場所に添乗員として

同行した時のことを思い出します。

 

当時、若貴兄弟(若花田、貴花田)の人気が

上がってきている時でした。

 

私は当時、身近なところで身長2m以上の人を

見たことがなかったので、とにかく背が高いという

ことに驚きました。

ただ背が高いだけではなく、力士ですから体重も

あり、迫力満点といった印象でした。

 

ハワイ出身ですから英語ができるので、

ヨーロッパツアー中も私たち添乗員は

通訳的なお手伝いをする必要はほとんど

ありませんでした。

他の力士たちについては、何から何まで

お世話することがたくさんありました。

 

 

 

なので、曙関を直接お世話する機会はあまり

ありませんでしたが、一つだけとても印象に

残っていることがあります。

 

皆で免税店に出かけて、お買い物する時間が

あった時のことです。

 

たまたま曙関の近くを通りかかった私に曙関が

声をかけてきました。

 

「ちょっとすみません。これとこれどっちがいいと

思いますか?あなたならどちらが

欲しいですか?」と

質問されました。

 

振り返ると、曙関がブランドのバッグを二つ

手に取り、見比べていました。

 

私が、「私ならこちらが好みですけど…。

何歳くらいの方に差し上げるんですか?」と

言うと、

「親方の奥さん、おかみさんへのお土産です。」

と嬉しそうに答えてくれました。

 

曙さんの死去の報道がここ数日されていますが、

どの報道を見ても、曙さんの優しい人柄が

伝えられています。

 

当時のツアーでは、多くの関取が部屋の

おかみさんへのお土産を買っているのを

見かけました。

 

でも、曙さんほどじっくり手に取って、

時間をかけて品定めをしている力士は

いませんでした。

皆さん自分の買い物に夢中で、おかみさんへの

土産は適当に選んでいました。

中には最後の飛行機に乗ってから、

おかみさんへの土産を買い忘れたことに

気づいて機内販売で香水?などを

買い求めている人もいました。

 

曙さんは、ただおかみさんの分のお土産を

買おうとしていたのではなく、本当に

おかみさんが喜んでくれそうなものを

一生懸命に選んでいた姿が忘れられません。

 

当時曙さんは22,23歳くらいだったと思います。

曙さんがお土産を買っていたおかみさんとは、

ハワイ出身の力士、ジェーシーこと<高見山関>の

奥さまです。当時東関部屋の所属でしたから。

 

本当に優しい方だったのでしょう。

 

有名な若貴兄弟と曙関の優勝争いの巴戦は

このヨーロッパ巡業の翌年、1993年の

ことでした。

 

私の中での良い思い出です。

ご冥福をお祈りいたします。