たった6日間のアフガニスタン滞在だった
にもかかわらず
複雑な多くの思いが、心と頭に残って離れない
何が一番印象に残っているのか自問自答してみた

難民キャンプの子どもたち、ペンの奪い合い
栄養失調の子ども
クリニックで一生懸命働く現地スタッフ
寒いテントの中で震えながら勉強する子どもたち
ひどい教育現状を訴える教師たち
教育は大切だと熱く語る村長さん
私の名前を覚えてクリニックにやってくる子どもたち
夢とアフガンの今後を語る高校生の生き生きとした鋭い視線
人々の優しさ
黙々と働く姿
子どもたちの笑顔
厳しい自然環境
戦争しか知らない世代の人々

どれも同じくらい私の心に深く刻まれている

クリニックのスタッフのひとりに英語を話す25歳の男性がいた
去年高校を卒業したと言う
学校へ行っていても
戦争や内戦で通学を中断しなければならなかったことが
何度もあったと言う
この歳でようやく高校を卒業でき
もっと勉強したいから大学へも行きたいと言い
仕事の合い間に人権や外交の本を読んでいた
そんな彼に、こんなこと聞いたら悪いかなとも思いながら
彼の見た戦争を聞いてみた
すると、淡々と幼い頃からの日々を語ってくれた

彼が生まれたときから国は戦争状態だった
そして、身近な多くの人を亡くした
叔父さんは家でイスに座っていたときに撃たれて死んだ
そのとき彼は叔父さんの隣にいた
お兄さんも兵士で戦いの中で死んだなど
一時間ほど話は続いた後
これは自分が見たほんの一部に過ぎず
全部話そうと思うと何日もかかると付け加えた

言葉がなかった

同じ世代の私とは全く違った人生を彼は送っている
そして今私はその彼の人生のたった一部分ではあるが
同じ時を共有している
文化や歴史が違っても英語という手段を介して
彼の今までの人生を知ることができる

まず話を聞く
これが国際理解の最も大切な一歩なのではないだろうかと思った
相手がどんな状況でどんな思いで生きてきたのか
そして未来をどう考えているのか
そこをお互い理解しなければ何も始まらないような気がした
国際社会や国際支援など
いろいろな言葉を耳にするが
異文化を理解することは容易ではないし
理解し合うには時間がかかるものだと思う
いや、もしかすると、どれだけ時間をかけても
本当に理解することはできないのかも知れない

街には銃弾の跡が残る建物があり
装甲車が走り、銃を持つ兵士がいる
空には戦闘機がものすごい音をたてて飛んでる
そんなアフガニスタンで子どもたちと遊んでいたとき
私たちの上を鳥たちが何度も旋回した
「うわ~」と一斉にみんなで見上げた
すると子どもたちが写真に撮れと言う
慌ててカメラを出しシャッターを押した



しばらくして、鳥たちは飛んでいってしまった

子どもたちは何を思って青空を自由に飛び回る鳥たちを見上げ
私に写真を撮れと言ったのか
無邪気にはしゃぐ子どもたちを見ながら
「早くアフガニスタンにも平和を!」
と祈らずにはいられなかった

戦争や貧しさの中での生活であっても
一人一人がしっかりと自分と未来を見つめながら
「今」を一生懸命生きている姿がアフガニスタンの人々にはあった

一体私は「今」を一生懸命に生きているだろうか?
彼らから学ぶことはやはり多い

今、アフガニスタンに必要なものはたくさんある
その中で人が人として生きていくために大切な
医療や教育環境をまず整えることが必要だと感じた

少しでも多くのアフガニスタンの人々に
医療と教育の場が与えられることを強く願いながら
今後も私にできること考えていきたい