くすんだ空。
光を通さない分厚い雲は、ずっと見続けていると胸の中にひたひた侵食してきそう…
非科学的な考えに、私は思わず口角を歪めた。
私は空から足元に視線を転換して、つま先で落ち葉をつつく。物理的法則に従った落ち葉は、地面との摩擦力ですぐに止まった。
つまらない。
世の中は不思議で満ち溢れ、未来は神々しく輝き、人々は助け合い手を結び合い唇を触れ合い、一生を過ごす。
幸せすぎる普通を刷り込まれ、義務教育を終えた人々はやがて世界の理不尽に気づく。
そして今。
私はめでたく義務教育を終え、波瀾万丈のJKを満喫して、最後のモラトリアム、JDとして生きている。
ー生物学的にはほぼ大人ですが、精神面、経済面では依存状態が強くー
いつぞやの授業が頭をよぎる。あぁ、あの頃は依存できる状態に依存していた。
ー自立に向けて、本格的に準備をー
3日前、自立の準備もできないまま、私はいきなり、多様性という衣を纏う孤独に絡め取られた。