私の祖母は今年で85歳になります。体も頭も元気なのですが緑内障の治療 中で病院に通院しています。本人は病院に行くこと自体が嫌いなようで、いつも「病院に行くと病気になるから嫌だ」と言っています。確かに病院に行くと気が滅入ってしまうことがありますね。病は気からといいますが、なんだか体の調子が悪いような気になってしまいます。病院の独特のにおいというのも、また気が滅入る原因のひとつです。



自分より若い医者や看護士にあれこれ指図(と祖母は言う。指導なんですけどね)されるのが嫌だとも言います。何かと気丈な祖母で、昔はさらに怖かったといいますから、いったいどんな母親だったのだろうと怖くなります。今はもちろんとても優しい祖母なんです。たまに鬼が覗いてきますけどね。自分の意見を貫く人ですが言うことは筋が通っていて、みんな納得できるように諭す感じです。良い悪いはまず置いておいて、そういう芯の強さに憧れることはあります。



実はこの祖母、私とは血が繋がっていないのです。我が家は色々複雑な事情があり、そのおかげで苦労したことも多かったですが今はなんとも思っていません。むしろ色々な経験が出来てありがたいと思っているくらいです。祖母は私が小さいときに私が嫌な思いをしないように、色々な話を優しく諭してくれました。そのはなしをきちんと聞いて実戦したおかげで、心無い言葉もさらっと流して生きてこれたのだと思っています。



そんなわけで私は祖母が大好きなのですが、最近は私も忙しくゆっくりと相手をする時間がありませんでした。そこで、緑内障の治療をきちんと受けて終わることができたら、一緒に旅行に行こうかと計画しています。祖母は旅行が大好きなのですが、目があまり良く見えないので最近は行く回数が激減していました。完全に戻ることはないと言われていますが、今よりも見えるようになる可能性はあるということです。



祖母も85歳。正直この先いつまで人生が続くのか、それは誰にもわかりません。いつどうなってもいいように、行きたい場所は全て見ておきたいという祖母。さすがに戦前生まれはパワフルです。海外に行きたいと言っていますが、大丈夫なんでしょうか。まあ全ては治療がきちんとできたらの話です。病院嫌いは我慢してもらって、治療に専念してほしいなあと思います。



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