私の好きな漫画に「浮浪雲」というものがあります。みかけは遊び人でナンパな主人公「雲」を中心に江戸末期の世相と人情を描いた、青年誌の漫画です。ジョージ秋山さんという漫画家さんが作者なのですが、なんと連載開始が1973年。昭和48年というのですから驚きです。実に40年近くも続いているのですから、もうすっかり描くことがなくなったとしても何も不思議ではないのですが、毎号毎号実に楽しませてもらっています。



大人になると、女性も意外に男性誌の漫画を好むようになります。少女漫画もそれはそれで面白いのですが、青年漫画は恋愛以外の要素がかなり大きいのでそこがまた楽しめるポイントになってきます。恋愛も一息ついて、人生を見渡すようになってみるとそういう読み物のほうが共感しやすくなったりするものです。私は昔から青年誌のほうが好きで学生時代は「ジャンプ」や「マガジン」を電車の中で読みながら帰る女子高生でした。



ある程度年齢がいくとジャンプやマガジンは卒業するようになりますね。もちろん、今でも面白い作品はあるのですが、やはりターゲットの年齢層が低めではあります。私の弟が大ヒット漫画「ワンピース」にはまっていますが、私はあまりしっくりきませんでした。私より年上の人でもたくさんはまっている人はいるのですが、私の中ではあまりピンとこなかったのですね。面白いから読んでみなよ、と言われれば言われるほど読みたくなくなる、という天邪鬼もあります。



もう何年も読み続けている青年誌が「ビッグコミック」です。オリジナルのほうも合わせて読んでいますが、他の青年誌も読みたい気持ちを抑えて今も私の中では不動のナンバー1に輝いています。何冊も買い続ける余裕がないので、結果的に購入するものを絞ることになるのですが、見事に勝ち残ったわけです。その理由になる漫画が、冒頭の浮浪雲をはじめ、三丁目の夕日や釣りバカ日誌などのいわゆる「長寿漫画」です。



三丁目の夕日は映画になったことで一気に知名度が上がりました。連載開始はこちらも1974年、昭和でいうと49年です。昭和の古き良き時代をかわいらしい絵でつづり、時には笑顔、時には涙で感動させてくれる良作です。釣りバカ日誌は映画ですっかりおなじみですね。むしろ映画のほうが有名だと思いますがこちらは昭和54年から連載が開始されています。これが読みたいから続けて買っているファンも多いことでしょう。どれもこれも偉業だなあと感心するばかりです。



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