夫が友人に頼まれてバイナリーオプションの戦略というビジネス講座に出かけていきました。夫の大学時代の友人らしいのですが、なにやら初めてのことなので一緒に着いてきて欲しいと頼まれたんだそうです。そんなことで投資なんかできるのか、と思いましたが、本当は思惑は他にあったようです。夫が帰ってくると微妙な顔つきになっていたので、「これは何か頼まれごとをしたな」と直感でわかました。




思ったとおり、お金の無心をされたんだそうです。昔から付き合いがあり、悪いやつではないし実家も知っているから貸してやってもいいかな、と夫はいいました。私は「夫君の小遣いから貸すなら何もいいません。でも貸すならあげたものだと思わないとダメよ。返ってくるなんて期待したら痛い目にあうよ」と言いました。当然、夫のへそくりだけではあちらが希望している金額に届かないことなどわかっています。その上でわざと言ったのです。




そもそも、投資は余裕資金で行うものでしょう。人からお金を借りてやるってことは、それはギャンブルですよ?と言うと、しょげて「わかった」と返事していました。結局貸さないことにしたみたいですが、その友人は色んなところに連絡をしてお金を借りてまわっているそうで、惨事にならなければいいけどなあと思いました。人からお金を借りて博打を打って、いい思いをした人など今までみたことがないからです。




結局、投資にしてもギャンブルにしても、最終的にものをいうのは「どれだけ余裕があるか」。これに尽きます。資金面でも心の面でも、余裕がなければ勝てません。私も昔、株をやっていた時期がありましたが、最終的にイーブンでやめることができました。一時は本当に、食事も喉を通らないほど追い込まれたときがありました。それも結局、余裕がないまま手を出したからいけなかったのです。




お金を増やしたいと思うなら、まずは「捨ててもいいお金」を作ることです。捨ててもいいというのは、仮にダメになっても生活が揺るがないお金、という意味です。それが出来ないうちは、投資なんて雲の上の話だと私は思います。よく「少ない元金で儲かる」という甘い文句がネットで踊っていますが、怖いなあと思います。それで乗る人も実際にたくさんいますし、何より私が元々それだったのです。




お金がないと人の心はすさみます。そんな時は、音楽でも聴いてゆっくり時間を過ごすこと。リセットするのも、人間にとっては大切なことです。



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