前回のおはなし
【審議開始】を法廷で待つことおそらく数分
(体感的には、ものすご〜く長く感じたけど)
なんといっても
苦痛
この二文字しかない
証言台を挟んで
向かい側の夫は
なにやら隣の小太りキツネ弁護士と語らい中
戦略でも練っているのだろう
小太りキツネ弁護士が
書類を見せながら
夫になにかを問っていて
夫がうんうんと首を縦に振っていた
ふと傍聴人席を見ると
知らない男性や
知らない女性が
ちらほら
誰
夫の関係者か
と思いきや
いわゆる
"傍聴マニア"という人だと
思い至る
やれやれ
まるで見せ物じゃん
こんなところに
引っ張り出されて
見せ物になって
おまえのせいだと
一瞬
向かいの夫を睨みつけたが
わたしが
離婚におとなしく応じれば
裁判にまでならなかったわけだから
あっ自業自得なのかと
妙に腑に落ちて
納得するわたし
開廷時間
黒い法衣を着た
【裁判官】と【書記官】が入ってこられた