○書籍「国家と教養」/藤原正彦・著 | 悪の司令官の耳目思記(じもくしき)

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 お茶の水女子大学の名誉教授であり、ベストセラーとなった『国家の品格』で有名な著者が、時代の流れに惑わされないための教養の大切さと限界、どのような教養が必要なのかを、歴史を紐解きながら解説している書籍で、初版とNDCは2018年12月20日/002です。

 著者が序盤で解説しているが『郵政民営化』って、冷戦終結後のアメリカに踊らされた結果だったという。本来、日本だけが使える資金だった郵過去の便貯金をアメリカも使えるようにバブル崩壊後のアドバイスと称して仕向けたらしい……ということは、まさかアベノミクスも?

 ここから著者は、教養の歴史を紐解いていくのだが、ヨーロッパから独立したアメリカは『しがらみ』と共に『教養』まで捨ててきたらしい。自国の利益優先って、アメリカの伝統だったのね。

 最後に著者は、これから必要な教養の四本柱を紹介している。

「これからの教養には四本柱があります。まずは長い歴史をもつ文学や哲学などの『人文教養』、政治、経済、歴史、地政学などの『社会教養』、それに自然科学や統計を含めた『科学教養』です。この三つの柱は誰もが認めるであろう、常識的なものです。」

「力説したいのは、これに加えて、そういったものを書斎の死んだ知識としないため、生を吹きこむこと、すなわち情緒とか形の修得が不可欠ということです。これが四つ目の柱となります。それには〈中略〉(大衆文芸、芸術、古典芸能、芸道、映画、マンガ、アニメ……など)、我が国が誇る『大衆文化教養』が役に立ちます。旅に出ることや友達と語り合うことも大いに役に立ちます。この四本柱のことを、〈中略〉『読書、登山、古典音楽』と表現する人、『本、人、旅』と表現する人、『映画、音楽、芝居、本』と表現する人もいます。」※()は筆者追記

「これら四本柱に触れ、自らの血肉とするためには、読書が主役となります。教養をどのように定義する人でも、読書を外すことだけは不可能です。」

 でも、金銭的に本を買う余裕が無い?

 そんな時は、図書館を利用しましょう。
今の時代、ネットで蔵書検索ができるから、事前に読みたい本の有無が確認できるし、分館の蔵書もお取り寄せできるから、ありがたい。

 便利な時代になったなぁ。