○書籍「跳びはねる思考: 会話のできない自閉症の僕が考えていること」/東田直樹・著 | 悪の司令官の耳目思記(じもくしき)

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 NHKスペシャルで2度も出演された、会話の出来ない重度の自閉症でありながら、文字盤を指差しながら言葉を発していく「文字盤ポインティング」やパソコンを利用して、自分の想いを伝えることが可能な著者が、自身の経験から得た自閉症的な感覚や思考の流れ等を、健常者にも分かりやすく紹介しているエッセイとインタビューをまとめた書籍で、初版とNDCは2014年9月9日/914.6です。

 あとがきとしてジャーナリストの佐々木俊尚さんが解説しているが、「自閉症は他人とのコミュニケーションや社会との関わりがうまくできない障害」である。

 ただし、その要因については、肉体的要因と、それ以外の要因があり、「僕のヒーローアカデミア」の主人公や当方のような、別の要因による自閉症は「高機能自閉症」とも呼ばれているらしい。

 そのおかげで、著者が紹介している感覚や思考の流れは、理解というより共感に近いものがあります。

 脳科学的なことは知らないが、感覚的に言うと、脳は通常、意識した意思から最短ルートで指示を送って肉体を機能させるが、何らかの理由で最短ルートが確保出来ない場合、別ルートを探して機能させようとするみたい。

 ただ、その別ルート上に言葉を発する機能があったり、腕を動かす機能があった場合だと、その機能まで働いてしまうのだと思う。

 著者は、よく自閉症の方が、怒られているのに笑っていると注意されることについて、考えられる理由をいくつか紹介しているが、怒られている最中にやっと状況を理解出来たことに安心して、思わず笑みを浮かべてしまう感覚は確かにあります。

 当方の場合、初めての宴会とかに呼ばれた場合、最初は物静かに周囲の人たちの会話を聴きながら、現状を探るための情報収集モードになってしまうんだよなぁ。

 まぁ、ただ単に日常会話が苦手というのもあるけどね。

 本当は、著者が書いた別の書籍を借りたかったが、NHKスペシャルの影響なのか、利用している2つの市立図書館共に貸出し中。

 予算に余裕があったら買いたいなぁ。