昼からのデイケアをサボる気満々だった父。
母が行った後、頑なにベッドから起き上がるのを拒否。
意思が堅いと思い、マスクと眼鏡も外して
「じゃあ今日は休むんじゃな」と寝かせて置いたら、
いつもの軍歌(「戦友」とか「露営の歌」が多い)の
メロディに適当な歌詞をつけた歌が聴こえてきた……

これは「しめしめ休めたわい♪」と調子に乗ってるなと思い、
「歌える元気があるなら行こうか！」と脅してみた。
「元気はない」
「今、歌よーたろー。行かんのなら歌うたらおえんよ。」

しばらくして、また聴こえてくる……
先程のやり取りを繰り返してみる。

三度め……

「歌える元気があるなら行こうか！」
「うん」……あれ？？
歌いながら、起き上がるのに協力してきた。

……今なら未だ間に合う！

歌っている父が「あれ、これは……」と気付いて
若干抵抗し始めたところは力とタイミングでカバーして
玄関の座椅子に座ってもらうのに成功♪
無事に13時～17時前までのデイケアに行ってくれました。
お陰でシーツの洗濯をして買い物をして、シャワーも浴びれたのでこちらは助かりました……

思えば、夕食後なども結構な大声で長時間歌っているのを、
(母は耳が遠いし……で)誰かが制止した事はありませんでした。

父にとって「歌う」事を我慢するのは
それくらい辛い事だったんだなと思った出来事でした。

【歌の力】