98式 イングラム… | 横島 夢乃介の観測日誌!!

横島 夢乃介の観測日誌!!

横島 夢乃介のブログにようこそ!! 







パトレイバーは、ロボットテクノロジーの発達によって登場した汎用多足歩行型作業機械「レイバー(Labor)」は急速に発展・普及し、軍事・民生を問わずあらゆる分野で使用されるようになった。

特に東京を含む首都圏では地球温暖化による海面上昇への備えとして大堤防を東京湾の川崎・木更津の間に築くことと、1995年に発生した東京南沖大地震によるガレキの処分を兼ねて堤防の内側を埋め立てることで首都圏の土地不足の解消をするという、一石三鳥を狙った国家プロジェクト「バビロンプロジェクト」のために日本国内のレイバーの大半が集中していた。

だがその結果、レイバーによる事故はもちろん、レイバーを使用した様々な犯罪行為(酔っ払いの乱闘騒ぎや窃盗からバビロンプロジェクトに反対するエコテロリストによるテロ行為まで)が多発して社会問題となった。

この「レイバー犯罪」に対処するため、警視庁は警備部内の特機部隊にレイバーを導入し、その任にあたらせた。

しかしそのレイバーは、発足当初は旧式の作業用レイバーの装甲を強化しただけのもので、日進月歩でレイバーが性能を向上させている状況にあっては、優秀な人材を集めた特機部隊もレイバー犯罪に対応し切れず、1998年、警視庁は警備部内に専門部署として新たに「特科車両二課中隊」、通称「特車二課」を設けた。

これがパトロールレイバー、通称「パトレイバー」の誕生である。

小隊は従来機を運用する「第一小隊」に加え、新たに「第二小隊」を編成することが決定された。

その第二小隊にはパトレイバー専用の最新鋭機種である篠原重工製98式AV(Advanced Vehicle)“イングラム”が製造・導入されることになる。

ところが、その新型レイバーを与えられる第二小隊は、現職の巡査1人を除いては、予備校を出たばかりの経験はゼロに等しい者ばかりで、隊長をして「精鋭になるかはたまた独立愚連隊になるか」と言わしめた集団であった。

こうして、後に非難と賞賛を浴びる特車二課第二小隊が発足したのであった。

物語は、若いパトレイバー隊員たちが葛藤しながら成長する青春群像であるほか、産業ドラマであり、陰謀ドラマでもある。これらが並行して展開されるストーリーとなっている。

そして、98式イングラムに関しては…。

『機動警察パトレイバー』の主役メカ。

劇中では先に配備されたASUKA96MPL 大将の能力不足を把握していた篠原重工八王子工場によって開始された「次期MPL計画(後の「AV(Advanced Vehicle:発達型車両 )計画」)」による第1号機とされる。

INGRAMという名称はイングラムM10からとられたものだが、「INdeterminate GRound Armed Mobile:不確定型陸上兵装車両」の略でもあり、イングラムの開発当初から軍事用レイバー開発へのデータ収集が考えられていたとの説もある。

とはいえ、英語文法的には出鱈目であり、後付けの感は拭えない。

形式は当時パソコンの国内主力機種であった日本電気のPC-9800シリーズから取ったものとされている。

ASUKAで初めて採用された密閉式コクピットによって極めて人間的な姿をしており、初めて全超電導化されたパワー系統、人間に近い形状であるため豊富な手持ちオプションの使用が可能となったマニピュレーターやモーション・トレーサー、FRPを多用した軽量機体による高い運動性など、どれをとっても非常に革命的なものである。

また、懸垂の出来る初のレイバーでもある。

この機体を印象深いものにしているのは、主人公の泉野明が整備中の姿を見て「趣味の世界」、同僚の太田功が「なんて趣味的な…」と評したそのデザインで、スリムなスタイルとなっている。

これは一般市民や犯人への心理的影響(「正義の味方」というアピール)までも考慮して設計されたためである。

しかし、スタイルを優先した結果、居住性は極めて悪くなった。

リアルにみたイングラムは、最高でした…。