ハイサイド電流検出基板GY-169(INA169使用)の出力電圧の制限を緩和する | 悪食釣り師のつれづれ日記

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ハイサイド電流検出INA169の味見

の続きです。

 

INA169を用いた電流検出基板GY-169は、使えそうな直線性を持っていたのですが、1つ問題が。

 

やりたいことは、PIC18F47Q43内蔵の12bit ADコンバータをFS4.096Vで動かして電流を検出すること。

測定対象は、スイッチング電源とLEDです。

 

INA169のデータシートを見ると、

このような記載があり、

白色LEDの動作電圧を3Vとしたとき、式(2)により、最大出力電圧は2.5Vに制限されてしまいます。

 

 

この問題を解決するために、トランスインピーダンスアンプ(TIA)を検討してみます。

INA169の出力にTIAを接続することでINA169の出力電圧は0V(理想状態)となってデータシートに書かれている出力電圧の制約はなくなるはずです。

 

検討した回路

 

回路構成は簡単で、100kΩの帰還抵抗でINA169からの電流を電圧に変換した後、

極性を戻すためにゲイン1倍の反転アンプを通しています。

オペアンプはOP07N(秋月電子で購入した安価なHTC製)です。

とりあえずの評価で作ったので、オペアンプのプラス入力にバイアス電流の影響を軽減する抵抗は入れていません。

TIAの入力インピーダンスは低いので、GY-169基板上で電圧に変換する10kΩの抵抗を取り除かなくても影響は少ないのですが、この構成だと不要になるので取り除きます。

前回INA169は15Vで動作させましたが、最終的にはPICを動かす5Vを共用で使いたいので、

今回は5Vで動作させました。

IN169の評価を確実にしたかったのでオペアンプの方は±15V動作です。

 

評価系の様子(10kΩは取り除く前)

 

負荷抵抗は1kΩと20Ωの2種類です。

TIAの帰還抵抗が100kΩですので、出力電圧は前回の10倍になります。

 

まずは負荷抵抗1kΩの場合

 

低電流領域を拡大

前回よりも測定点のばらつきが少なく見えます。

出力電圧が10倍になったので測定誤差が相対的に少なくなったためでしょう。

 

負荷抵抗20Ωの場合

PICで計測したいのは、FS4Vで最大400mAですので、直線性は問題ないですね。

 

低電流領域を拡大

 

低電流領域で変になるのは前回と同様で、入力電圧に依存します。

前回と同様横軸を入力電圧でグラフを書き直すと、

 

負荷抵抗1kΩ

 

負荷抵抗20Ω

 

20mAクラスの砲弾型LEDを評価するには見直しが必要ですが、

やりたいのは350mAクラスのLEDの評価なので、今回の出力特性であればOKです。

TIAを使った場合でも、良好な線形性が得られることを確認できました。

 

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