悪食 65点
今年 96本目
監督、脚本 水野格
出演 高橋文哉
北香那
坂井真紀
菊地凛子
中村倫也
染谷将太
田中圭
次々と人が消えてしまう謎めいたマンションを舞台にしたミステリー映画。
板橋AEONシネマへ。
鑑賞結果、「シックスセンス」のパクリと言ったら言い過ぎだが。高橋文哉の演技がワンパターンでつまらない。
ここからネタバレ満載でいきますからご注意を⁉️
うだつの上がらない八谷運送の配達員・丸子夢久郎(高橋文哉)。
ネットで小説投稿している先輩の荒川渉(田中圭)から書いた小説をネットで読んでくれと言われて、何となく読んだがつまらなくて、口直しに読んだネット小説「転生スパイ」の小説の虜になった。
それからの丸子は「転生スパイ」だけが人生の楽しみになっていた。
そんな時に最近、担当になった配達先のマンションに「転生スパイ」の作者である小宮千尋(北香那)が住んでいることに気付く。
何となく幸せな気分になる丸子だった。
ある日、丸子(高橋文哉)は小宮の部屋のドアノブをガチャガチャと動かす不審者を見た。その男は上の階に住む、島崎(染谷将太)だった。
不審に思った丸子は、島崎を調べると、怪しい情報が色々と出てきた。
島崎の隣に住む沼田(袴田吉彦)は、島崎の部屋で血だらけの女を見たというし、反対側隣に住む巻坂(中村倫也)も島崎が小宮を抱き抱えるようにして部屋に入って行ったのを見ていた。
益々、警戒を深める丸子だったが、その話を荒川にしてもまだ確証が無いなと取り合ってくれなかった。
丸子は引き続き小宮と島崎を注視するようになる。
そしてある日、島崎が小宮の部屋に入るのを見た時に丸子もまた小宮の部屋のドアを開けた。
そこには島崎と小宮がいた。
小宮は事情を話すから座ってくださいと言った。
小宮の話はこうだった。
「私達は公安の人間で、このマンションにテロリストがいるとの情報を掴み、誰がテロリストなのかを確認する為、潜入捜査をしていると。沼田も巻坂も見たことを勘違いしている」と。
そんな説明をしているところに荒川がやってきたのだ。荒川は詳しく話をして欲しいと説明を求めた。2人は丸子にした説明を始めた。
しかし荒川は違和感を持っていた。小宮の部屋の小説の頭文字を続けて読むと「ぜんぶうそ」と読めたからだ。これは小宮の小説の中のトリックの一つだった。
テーブルの上の消しゴムが何かの拍子に下に落ちた。荒川が拾おうとしてテーブルを覗き込むと、島崎はナイフで小宮を脅していたのだ。
これで小宮と島崎の話が嘘だということに確信が持てた。
さて、ここからどう打開するか?と思っていたところ一冊の小説が飛び出して島崎に当たったのだ。それを機会に荒川は島崎に飛びかかり押さえつけた。
島崎はストーカーで小宮を付け狙っていたのだ。
警察に逮捕される島崎。それを見ている丸子。しかし小宮は泣いている。鑑識が隣の部屋から出てきた。そこには丸子の遺体が横たわっていた。
丸子は小宮を助けようと部屋に飛び込んだのだが、島崎にナイフで刺され殺されていたのだ。
それを理解した丸子は驚愕した。俺は死んでいる。
しかし小宮は助かった。事情を話していた荒川が助けに来てくれた。
丸子は成仏した。
エンド。
という話です。そうですねぇ。アイデアはまるっきり「シックスセンス」と同じですなぁ。死んだ人間が自分は死んでいるとは思わず、事件を解決していく。解決した暁に自分が死んでいることも理解する。満足すると成仏する。
このアイデアが秀逸であるが為にあの映画は大ヒットしました。もちろん役者の演技力も素晴らしかったですが。
と、その肝のアイデアをパクリ(リスペクト)、脚本を書き上げる。この映画は監督のオリジナル脚本ですよね?これをオリジナルと言えるのでしょうか?
観終わって直ぐに「これってシックスセンスだよね?」という言葉が出るようではダメなんじゃないでしょうか?
それと主役の高橋文哉なのですが、悪い役者ではないと思うのですが、今のところそんな役どころばかり要求されるのか、ワンパターン化していて映画やドラマの何を観ても同じ演技しかしていません。つまらないとしか言いようがない。
今後、化けるのを期待します。
タイトルの「あの人が消えた」も10人が次々と消えていくということではなく、主人公である丸子が死んだということを意味していることを最後に気づくのですが、この映画の宣伝は酷いですね。1人づつ消えていくのは殺されていくような意味合いを感じさせるのですが、ただ引っ越していくだけなのです。映画の予告は昔から嫌いなのですが、この映画の予告は違う意味でもっと嫌いです。映画の予告とは全く違う意味を連想させるのは詐欺みたいなものですから。
こんなふうに書くとかなり酷い映画のような感じではありますが、「シックスセンス」を知らなければなかなか面白く観れると思います。
劇場で確認してください。