『ランサム』 実話を元にした映画ですが、かなりエンタメしてます! | 悪食のシネ満漢全席

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ろくに情報知らぬまま、当たり屋みたいに突撃して、 しょーもない感想を言い合って、備忘録代わりに残します。 かなりの無責任、言いたい放題、無礼千万をお許し下さい。

悪食 80点
今年 92本目

監督 キム・ソンフン
脚本 キム・ジョンヨン
出演 ハ・ジョンウ
   チュ・ジフン


レバノンで拉致された韓国人外交官の救出に挑む外交官とタクシー運転手のポリティカルアクション。
新宿バルト9へ。

鑑賞結果、これが実話。国とは何なのか?外交とは?日本は平和ですが、世界を見ないといけない。

ここからネタバレ満載でいきますからご注意を⁉️



内戦下のベイルートで韓国人外交官が拉致された。身代金の要求があるかと思われたが何の連絡も無くその事件が忘れ去られた頃、外交官ミンジュンは、消えた外交官が人質として生きているという情報をつかんだ。それは外務省のオフィスで夜一人でいるところに電話がかかってきた。相手は何も話さなかったが、韓国外務省だけが使用している暗号が使われた。
外交官が生きていると分かったら、助け出さなければと裏ルートを使って外交官の安否と場所を確かめた。
本来なら人質奪還は安全企画部という部署が行うのだが、隠密に人質を取り返すには外務省だけで行うべきだという意見が出た。そしてその大役を買って出たのが最初に電話を受けたミンジュン(ハ・ジョンウ)。その代わり、無事に戻ってきたら外交官としてアメリカに行かせて欲しいと願い出た。



ミンジュン(ハ・ジョンウ)は、ベイルートへと向かった。
ところが公式ではない為に、空港で警察に目を付けられた。大金を持っていたなら没収されてしまう。それを掻い潜る為に交渉人から一枚の絵を託されていた。その絵を協力者に渡せば、現金を用意してくれるとのことだった。警察の目は誤魔化したと思ったのだが、しつこいくらいに追ってきた。予定されてたタクシーには乗れず、思わず韓国人ドライバーのタクシーに飛び乗ったのだ。


空港からは何とか逃げおおせることが出来た。しかし警察からは目をつけられてしまった。

このタクシードライバーがこれからこの映画でミンジュン(ハ・ジョンウ)のバディ役となるパンス(チュ・ジフン)だ。
この男がまた曲者で、信用出来るのか出来ないのか。怪しい役どころで登場します。



パンス(チュ・ジフン)に案内役を頼むも「危ない仕事なんかしない」と断られてしまいますが、「アメリカビザを手に入れてくれるなら手伝ってもいい」と言ってくれた。


ミンジュン(イ・ジョンウ)は、アメリカに帰れるようにすると約束して身代金をを運ぶ手伝いを頼んだ。


ところがパンスは途中でミンジュンを裏切って金を持ち逃げしたりもするのだが、パンスの彼女からそんな最低のことをする人は二度と来るなと家を追い出され、仕方なくミンジュンを探しに戻ったりもします。
そんなことがありながらも、協力者のおかげで、テロリストから外交官を救う為のお金を引き渡しを行うことになったのだが、その情報を手に入れたギャングが身代金を横取りしようと動き出した。


ここから韓国外務省vs誘拐犯vs警官隊vsギャングという四つ巴の身代金強奪戦が始まった。



身代金を渡して外交官を取り戻すまではうまく行ったのだが、安全企画部が残りの手数料を安全が確保出来るまでは払わないと言い出したのだ。
これでベイルートから韓国に帰るだけだと思っていたのに、またもや難関が立ちはだかった。
これを知った韓国外務省では安全企画部とのやりとりが激しく行われるのだが、勝手に動いた外務省が悪いと安全企画部は全く非協力的だ。
その状況を知った外務省の職員達は自分たちの給料を使ってくれと申し出た。
結局、金は交渉人が建て替えてくれた為、彼等はベイルートから国連機に乗れることになった。
しかしまたここで一つの問題が起きる。
韓国に戻れるのは、拉致された外交官とミンジュン(ハ・ジョンウ)だけだというのだ。席は二つ、これは変更出来ないと。しかしもしここでパンス(チュ・ジフン)を置き去りにすると間違いなく彼は殺されてしまう。そこでミンジュンはパンスに後から行くからと先に国連機に乗せたのだ。
ミンジュンは直ぐに民間機でベイルートを脱出しようとしたのだが、警官隊に発見され捕まってしまう。そして牢獄送りにされたのだ。
その後、数年後韓国政府の働きかけでミンジュンは釈放された。
韓国空港にはパンスが迎えに待っていた。
エンド。

という映画です。
実話が元となっているということですが、かなり脚色された部分もあるそうです。
しかし韓国映画の得意なのか、この実話を元にした映画というのがエンタメ的にも良く出来ています。
偶然から始まり、嫌々協力するがいつの間にかバディ感が半端なくなり、最後は自分の身を犠牲にしてバディを助ける。
そして再会した時にはそれまで会えなかった時間が無くなったかの様に、バディ感が復活する。
これぞバディと言わざるを得ない。
そんな映画のエンタメジャンルの一つのよく出来た脚本が実話を元にしているとは。
見事としか言いようがない。
そして主義主張の違う国というものを通して、そこに住む人たちの正義をそれぞれ描き、またその中でも根本的に人間の善意も描かれる。
鬼のように悲惨な映画を作る韓国もこんなに人間味溢れる映画も作る。
韓国映画は本当に素晴らしい。

是非、劇場で。
オススメです。