私の乳がんとの日々で一番の収穫はSODANEやX(旧twitter)、Facebook、clubhouseなどでの患者さんとのつながりだ。

 

コロナ禍で人とも会えず、ひとりで悶々と悩みを抱えている人がちょっとスマホをいじるだけでお友達も情報も取れる。

 

 以前ちょっと流行ったClubhouseで毎週仲間たちとただお互いの悩みやたわいのない話をしゃべっていたのだが、それを見つけて入ってきてくれた、手術前の女性がいた。

 

これまでの経験を彼女にひたすらみんな伝える。告知後どうやって気持ちを取り戻したのか、手術前の心境、その後の標準的な検査や治療の成り行き、準備すべきものなどなど。

 

みんな一度通ってきて、いろんな経験をしているだけに話が深くて濃い。声だけのメディアだけれど、彼女の声は会を重ねるごとに明るくなっていった。その後も交流が続き、『乙女温泉』を札幌でやったときにはスタッフとしても来てくれた。実はその時、初めて顔を合わせたわけだが、まったくそんな気がしないほど私たちは打ち解けていた。リアルとSNSがちゃんと混じりあうと本当によい効果が生まれる。

 

 でもそんなことばかりではない。

 

 X(旧Twitter)などのタイムラインにフォロワーさんの訃報に接することがある。ただ応援のハートマークを押しているだけだったとしても、一度見てしまうとその後のショックは大きい。

 

精神科医の先生によるとSNSで訃報を聞くと、情報の一部だけが切り取られて入ってくる。

 

実際にがん患者さんのサロンの中でリアルに患者さんに会って、どういう経過で亡くなられたのかを聞くときよりも部分的で一部やや不正確な情報が来ている可能性がある。

 

背景をわからないで聞いているケースが更なる動揺を生んでいる、と考えた方がいいという。

 

悲しいニュースをひとりで聞くと不安が増強する。「悪い知らせはひとりで聞かない。誰かとシェアする、ということが大切なこと』だという。

 

私の場合は少し俯瞰することにしている。これまでのやりとりに感謝しつつ、その頑張りに敬意を。

 

誰ひとり同じ道ではないので、自分は自分の道を生きる。これに尽きる。

 

ネット情報はネガティブの方が回ることを忘れてはいけない。