(前のブログから続く)

 

 そんな彼女も手術まではそこまで気持ちが落ちていなかったのだが、病理検査を受けて抗がん剤治療となり、その副作用の関節痛や下痢に戸惑い、自分を責めてしまっていた。

 

 「私さえ、がんにならなければ、抗がん剤で副作用に苦しまなければ、自分の役割を果たせれば、家族に迷惑をかけなかったのに、と強く強く思っていました。

 

今も副作用に苦しんでいると、また家族に迷惑をかける事態になってしまったことが何より辛いです。迷惑しかかけていない存在の自分が抗がん剤をして生きることの意味を失なうのです。

 

家族にはそれぞれの役割がありますよね。その役割を果たして均衡を保っていて、風邪や急性の病気やケガで家族に負担をかけるのは一時的で短期で見通しも立つ。がんの治療は長期にわたり、しかも計画的に副作用の症状が出て回復するわけでもないわけで、家族への負担に比例して自分を責めるし、自分の価値がないように感じてしまいます。

 

 夫の場合は普段は仕事メインでちょろっと家事育児をする程度だったのが、一挙にのしかかり、仕事をセーブしてもらったり、それがまたストレスだったり・・・。

 

子どもたちの場合は大きい子は学校に部活、塾でいっぱいいっぱいなところに家の手伝いや下の子のお世話も頼まれ、下の子はママがいないことがあったり、具合悪そうにしていて、甘えたいときに甘えられなかったり、寂しい思いを強いてしまう、など。家族は第2の患者、と言われていますが、まさにその通りだと体感しています。』

 

男性も育児に追われて、キャリアを下りる人もいる。育児と仕事の両立は難しいできないと考えている人も多い。女性に対してだけではなく、こうした男性にも等しく援助が必要だ。

 

いま、彼女はがん教育に戻れるように、なんとか復活しようとしている。

 

伝えたい思いがある。いまを乗り越えた先に話す言葉にはさらに思いが乗ることとと思う。

 

世の中を変えていきたい、こうした強い思いでがん教育に取り組んでいる人が全国にはたくさんいる。