選択的夫婦別姓の導入を経団連が提言した。およそ30年議論が止まっていたものが動き出すはず。期待を込めて私の場合の話をしたい。

私も別姓を希望していることからオットとは入籍していない。姓の変更はリスクでしかないからだ。

夫婦同姓の強制「ビジネスでリスク」 経団連、早期の別姓導入求める

ただ、名前が違うだけで困ることがたくさんある。

私はいわゆるバツイチである。20代での一回目の結婚の際は、夫の姓に変えて、会社では通称として旧姓を利用することにした。ここからが困難の始まりだった。姓名の変更は事務的なものをすべて変えることになる。銀行口座、カード、全部。

PCに張られた(備品なのでね)変更後の姓を見ながら嫌な気持ちになっていた。

一番困ったのはパスポートだ。結局、私はパスポートの名前を変えずに新婚旅行には出かけた。(だって航空券は名称変えたら無効だし)すると、パスポートとカードの名義が違うところでもめる。ああ、やっぱり変えないといけないんだ、と思った。

通称使用は日本独自の制度。あるだけいいのだが、海外では理解されづらく、不正を疑われる。はっきりいって、「トラブルのもと」だ。

世界共通グループのホテルの会員とかになっても、名前の変更はいぶかしがられる。過去の名前は上書きされて、過去の滞在の履歴もなきものになる。

悲しみでしかない。

旧姓で通っているから、仕事上は問題なく見えるのだが、出張するときは名前は正式な名前になる。これも混乱のもと。例えば先方に予約をとってもらうのも姓が違うわけで。

海外出張のときは本当に困る。予約名と仕事名が違うのだから。論文などを書いている方々も絶対に苦労しているはずだ。

友人や取引先は、中国だって別姓選べるのに、日本って不思議な国だね、という。

結果数年で破綻して、晴れて元の姓に戻った。なんとすっきりしたことよ。