田原先生『通常の生理周期の変化と違う変化に気づいたら、放っておかずに医療機関。もうすぐ検診だから待って居よう、、はダメ。変化があって気になったら医療機関へ。

 

検診と検診の間の中間期乳がん、もあるし、検診だけ受けているのでいいや、ではなく、検診と検診の間にセルフチェックしていないと変化に気づかない。両方やるのが大切です。術後の方も反対側の乳がんも、温存の方も残っている乳がん、手術のあとのまわりに局所再発など、全摘でも残った皮膚に局所再発もあるので、両方の胸、全体、わきの下含めてセルフチェックは大切です。』

 

山下先生『日本は少し他の国より早いのですが、40歳になったら定期的に受けていただきたい。人それぞれ、誰にでもなりうる病気なので、検診は大事です。』

 

日本は40%程度の検診率で特に北海道はよくない。欧米は7,8割なのに比べると一時期よりは上昇してきているものの差は歴然だ。この埋まらない差を先生方はどう受け止めているのか。

 

寺田先生『根本的には差が開くのはシステムの違いもある。アメリカだとかかりつけ医がいて、そこに定期的に通うだけで今年はマンモグラフィなど検診の案内をしてもらえる。かかりつけ医に受診すれば効率的に受けやすい環境が整う。

 

日本は40歳になったら市町村から案内届くけれどそれで予約して、準備していくぞ、というのは自分でアクションを起こして受けにいかなければならないのは大きな違い。ひとりひとりの意識を変える必要があるのです。』

 

田原先生『アメリカの10月のピンクリボン運動が圧倒的に違いがある。スーパーひとついってもピンクだらけ。

 

アメリカで乳がんは女性の間で多い病気。家族だったり親戚に患者さんがいて、知識や支える意識などがある女性、男性も多い。急に増えてきた日本との大きな違いがあるのではないかと思います。』

 

伏見先生『ピンクリボン運動は、ブレストキャンサーアウェアネス(乳がんを知る)の象徴。そもそも出発点が社会全体で乳がんのことを知りましょう、というのが核となるところなのでアメリカでは進んでいる。

 

街中歩いていても、ピンクリボンのタンクローリーが走っていたりする。日本も社会全体で知る必要あるよね、と進んでいってほしいと思うのです。』

 

自分は20年ほど乳がん患者さんを取材をさせていただいていて、何人も出会ってお別れして今がある。この20年、やっぱり変わってないことが『がん=死』だという無意識の偏見だ。