卵巣がんのユキさんのお話
『一人暮らしを始めることにしました。20代は1人暮らし、色々あって30歳で戻ってきてしまった。
うちの場合、やっぱり親とも離れた方がうまくいくので実家に住んでるのもどうかなと。固定収入もできてきたので、少し早いと思ったけど・・やるしかないと。
今までは条件ばかりを気にしていたのですが、お金を稼げるのを重視して仕事を受けようかと。
病気をしてお金がないと本当に困るんです。がん保険にも入ってなかったので、入院保険しかなく、親にもらって生活していたのです。再発して、治療が続くのでお金が必要。
経過観察のときに入れた保険に入ったのは、今も助かっています。
具合悪い日は在宅で仕事ができたとしても厳しい。でも本当に悪いのは2、3日。
薬飲んで、食べなければ暮らせる。その1週間過ぎてしまえば、わりと普通に過ごせるので。
抗がん剤の副作用はしびれとか味覚とかひととおりある。3回目なのでこれね・・・慣れてきてはいます。』
恋愛ができるとうれしい
ユキさん『実は好きな人がいて、がんかもと言って入院したのです。勝手にその人を支えにしていて。中学の同級生、大人になって再会したんですけど。
親しいわけじゃないけど、がんじゃなかったら告白しようと思っていて、がんだから言えないとあきらめようと思ったのです。
それでも最初の抗がん剤のときにはLINEもくれて支えにもなってもらえたんですけど、自分の感情が性格悪くなっていてうまくいかず。自分ではそうしたかったわけじゃないのに、嫌な感じの対応をしてしまって、そしたら再発して・・・。一年会っていないです。こんな状態なんですけど、思ってくれる人がいたらいいなあと。』
婦人科系がん患者の”悩み”
ユキさん『婦人科の外来って妊婦さんがほとんど。入院も産婦人科で、お産をする人とは部屋を分けてはくれたんですけど、大きいおなかは見られないし、居心地が悪かった。
勝ち組と負け組というか、全然私はそこにはいけない。妊婦さんが勝ち誇っているように見えてしまった。
子どもを産めないのを受け入れるのがつらかった。一瞬でダメになって、そのあとの方がじわじわきて・・・。こうなってからの人生の方が長いし、そこから抜け出すのに時間かかってしまいました。
でも周りの人もそうなったとき、孫がいる。老後のときにいない人といる人でスゴイ孤独なんじゃないか。ときどき不安に襲われるのです。』
病と向き合いながら考える将来への不安。
婦人科系の病を抱える人とハッピーな方が一緒にいなくてはいけない場所、、工夫が必要だと思う。