娘さんとともに、生活拠点を変えたところで乳がんが発覚した人もいる。

 

30代でり患した沙希さん:

 

『働き始めて、そんな時に、”初めまして”と”自分ががんになりました”っていうことを両方伝えながら、ご挨拶をしなければいけない状況でそれが本当につらかったっていう思い出があります。』

 

『その時に周りのみんな、戸惑いますよね。やっぱりいきなりそんなことを言われたらどういう風に接していいんだろうっていう風に思わせてしまったと思いますし、自分も初めてのことだったので何ができますっていうことと言えなくて。

 

どのように仕事をしていったらいいかっていうのがわからなくなってしまって。しばらくは働かせていただいていましたがやっぱり初めての手術とか、その後の治療とか副作用その付き合い方とか、自分の体が変わっていくのかっていうのもあって。そうするとやっぱり周りも気付きますし、周りもどうしていいかわからないっていうところで自分で潰れていってしまった。

 

 やっぱり一回辞めてみようっていうことでちょっとシングルマザーだったんですけれど、1回働くっていうこと自体を全部手放してみて自分の身体と子どもの状態とゆっくり向き合ってみようっていうチャレンジをしたんです。

 

 その後、働きながら治療ができる仕事を探したんですが、面接を何回か受けてみて、やっぱり自分のこのがんっていうことを隠したほうがうまくいくのか、隠さずにオープンに伝えたほうがいいか迷いながら・・・。

 

 やはり伝えるほうを選んだんですけどやはり皆さんちょっと迷うような表情されたり、何ができて何ができないのかっていうことをお伝えしても、やっぱり不安要素があるなというふうに扱われるのは仕方がないことだと思うんですよね。

 

こちらとしては治療をしながらでも体調が良い時には元気で働けるよっていうことをお伝えしたかったんですけれど。最終的には(リラクゼーションセラピスト)個人事業主の仕事を選択したんですけれども働きつつ、子供とも一緒に過ごす時間を持てているので今はいいのですが、やっぱり企業の方にもうちょっと理解してもらえる所があったらいいなって思いは持っています。』