乳がんの放射線治療の場合、およそ1か月間、毎日、短時間の照射のために毎日病院に通うことになる。でも毎日、預けなくてはいけない。預ける時間はちょっとだけ、でいいのだ。

 

『もう本当に30分とか1時間足らずなのに、幼稚園とかもしっかり通ってる子供ですら心配なのに、 赤ちゃんで抱えながら治療されてる方もいらっしゃるし、なんでわかってもらえないのかなとかって。ママ全体に対するフォローが足りていない。』

 

二人で話したのは、がん患者さんも含めた社会全体の人に対して、何かしらの事情がある時に利用ができるように環境が整えば全員が嬉しいのではないかということ。

 

ヒロササさんは検索をして、シッターサポートプログラムを持つNPOを探し当てて、お子さんの預けるための支援金も受け取った。いろんな人たちの色々な思いに少しずつ助けられてどうにかここまで来た、と振り返る。

 

一方で、ずっと下がりっぱなしだった、というココロの問題。

がん患者さんを主に見ている心療内科で心のバランスも取り戻しつつある。ヒロササさんから見るとおじいちゃん先生。出会った心療内科の先生に気づかされることが多いと話した。

 

『自分の主治医に話せないことは僕自身をゴミ箱だと思って 投げ捨てるように話に来なさい、って。』

 

そのカウンセリングともただの雑談ともいえる会話の中に”名言”が多く励まされている。とかく精神科は敬遠されがちだが、最初から頼れる治療のこともわかっているいつでも通える心療内科の制度が整うことも大事なことだといえる。

 

 

そして、ヒロササさんの何物にも代えがたい励みは同病の方が元気な発信をしていることなんだそうだ。彼女のもこれで私を見つけてくれた。

 

『普通に生きて、生活できているということを発信すれば、受け取った人がどうやってもショックを受けることは間違いないけれど、ちょっと復活が早くなるのではないかと。自分は、同病の元気な人を見れてないときはガクンとなる。次の誰かのために

やっぱり発信していくことはとっても大切だなって。』

 

がんになった瞬間に頼れる人、頼れる場所。必要な情報・・・残念ながらまだ足りていない。