遺伝子検査の結果は判断がつかなかった。

 

 主治医に1年4か月検診で結果を伝えたが、もうそれはBRCAではないとして生きて行って方がいいよ、と。

 

 先日、『更年期のホルモン補充療法(HRT)は乳がんの発症リスクの増加と関連する』という研究結果を、英ノッティンガム大学が出した。15年前に60代で罹患した母はこれをしていたので説明つくかもね、、と。じゃあ、私は何なんだ、と。

 

 私は20代でバセドー病になっていて、甲状腺ホルモンの治療をしていた。こういったこともリスクなのか??

 

がんのサブタイプと病理を見ると少なくても乳がんのタネ?は10年前から存在しているわけで、十分若年性乳がんの範疇。

 

がんと診断される4年ほど前に試しにPET検査を受けていて、その際、左だけ指摘されたけどがんとは確定されなかった。

 

そのときにもうあったのではないか?じゃあ、右の説明は?などなど。もやもや。

 

 そのグレー判定から1年後、なんともう一度調べたいと病院から連絡がきた。

 

もう一回カウンセリングと補足の説明を受けて血液をした。

 

『修正のレポートが来ました。やっぱり、インコンクルーシブなんですよ。陽性(pathogenic variant)でも陰性(Benign)でもない、VUS(variant of unknown significance・・・意義不明の変異)でもない。

 

インコンクルーシブは、そこにそれが存在するかどうかがわからない、決定的でない、ということ。

 

本当にあるものをみているのか、技術的に見えてないのか、わからない。

 

インコンクルーシブを減らしたいから、何か新しい方法でやるのだと思います。

 

エクソン(exon)21-24の再解析を行うと書いてあります。』

 

何か見えるんだけれども技術的に足りてなくて、ないものがあるようにみえているのかわからない。

 

そういう状態。

 

もう一回調べれば、あるかないかの可能性がわかるので検査しませんかということだった。

 

 もう一度、血液検査を行い、空を飛んで一か月後、アメリカから結果が戻ってきた。

 

結果は陰性、ネガティブ。BRCAではなかった。

 

白黒はっきりつかない人を順にクリアにできる状況になってきていて、ここも医療の進化なんだと思う。

 

結果を受けて、先生に聞かれた。どんな気持ちですか?と。

 

 結果だけでなく、その後の話も受け止めてもらうところまでが遺伝カウンセリング。

 

「別の遺伝の可能性を調べてもまだ治療薬がないのであきらめてひとまず治療を続けます。BRCAだったら薬の手があっていいなとは思ってました。」と応えた。

 

ただ、もやもやは晴れたと。

 

 BRCAと診断された際は卵巣・対側の乳房の予防的切除が保険適用。

 

再発時だけではなく、2022年からは初発治療からPARP阻害薬が使えるようになった。(HER2陰性で再発高リスク)

 

どんどん個別化医療。それに私たちの知識と判断がついていけるか。

そして、遺伝性という言葉が一人歩きしないかが社会できちんとした理解が得られるのか、問題だ。

 

乳がんになった人のおよそ10%が遺伝性、、ということで私は残りの9割。

 

そもそも遺伝性乳がんというのは、今回調べたBRCAだけではないので他の遺伝的な要素が関わっている可能性は否定できない。

 

乳がん、卵巣がんでも家族歴もなくて年齢家族歴をまったく考慮せず、BRCA1/2に病的バリアントが見つかるのは 日本人では4.16%。

 

他の主な遺伝性も調べると約6%。確かに、30代で発症した方はBRCAの陽性率は高いという。

 

乳がんになりやすい遺伝子の存在はあって、民間の検査会社では調べることができる。

 

いま、コンパニオン検査として確立しているのはBRCAだけだけれどもどんどん進んでいる。

 

その他の遺伝子が原因と診断された場合、遺伝子ごとの特別な治療薬はないけれど、臨床的な特徴とか、他にかかりやすいがんなどの特徴はわかる。家族にも同じリスクがあるかもしれないことを伝えることができる。BRCAほど、陽性の場合の発症率が高いものは現状見つかっていない。そして、個別の対応ができるアクション(治療薬)があるので検査としてあるということなのだ。