遺伝子検査を受けてみた

 

 両側乳がん、私自身は5%程度しかいない同時性両側乳がん。母も乳がんであったり、親戚などにもいることから、遺伝性がん、を疑われていた。

 

 遺伝性がん、というのも種類がある。中でも対象者が多く、乳がん領域で注目を集めているのが、遺伝性乳がん卵巣がん症候群、BRCAだ。

 

 

 

 

 私が手術した2019年7月、このBRCAに特化した検査は再発時の治療薬を選ぶときにしか保険適用ではなかった。

 

私はもともと両側だったことと、母が乳がんということで、可能性があり、もしもBRCAだったら、乳房内の再発が高まるので医学的には温存は推奨されない。可能性だけで判断するのは納得感がないが、保険で検査ができなかった以上、そもそも命を守るには、もう全摘するしか最初から選択肢としてなかったわけだ。

 

 2020年4月からBRCA1・2という遺伝学的検査も該当すれば保険適用になった。

 

最初の診断時にBRCA(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)とわかれば健康な側の予防的切除も保険適用になった。

 BRCAと診断されて両側切除すれば、乳がんになる可能性が低くなり、卵巣をとれば卵巣がんになる可能性が低くなる。さらに再発したときにはBRCA専用の分子的標的薬を使うこともできる。保険収載で6万程度になったのはありがたい。

 

 ここで頭に置いておきたいのは、リスク低減手術を受けても『ゼロ』にはならないこと。手術をしない場合の10%ぐらいまで下がるという想定。ゼロにならないのは異所性乳腺や卵管細胞の存在、すでに微小な腹膜がんを発症している場合などが考えられるからだ。フォローアップ・手術を受ける際、主治医の先生などとご相談の際に考慮すべき点だと思う。