ドキュメンタリーを作ってみた。

 

 職場に戻った8月。ずっとそろそろ毎年おなじみのピンクリボン月間・10月のことを考える時期が来ていた。乳がんにり患してから何をするのがいいのか、悩ませていた。患者さんのトーク、亡くなった患者さんの娘さんの手記朗読、乳腺外科医のセルフチェック実演などなど考えられることはこれまでにトライしていた。

 

 これまで日本ではピンクリボン活動は乳がん検診の啓発と説明されることが多いのだが、り患してから検診の啓発だけ、というものに違和感を感じていた。

 

 適切に見つけて正しい治療を受け、いのちを救えるのはあくまでも自分事にできた、自分自身のみと身に染みていた。

乳がんに診断されるのが怖くて検診に行かないという声をよく聞いていた。(このときは)11人にひとりと確率は年々上がっているが、10人は違うわけで見つかりそうだから行かない、は命を落とすことになりかねない。

 

 

 自分事にしてもらうのはどうしたらいいのか。

 

「乳がん患者は相当いる。」

 

存在をまず知ってもらうことを考え、毎年行われるHTBのまつりで啓発ステージを行うことにした。

 

 私も入り、私のタイプとは違う乳がんのタイプの女性患者さんにも登壇してもらい、「複数いて」「タイプが違う」「術式が違う」などを実感し、自分事にしてもらえないか、と考えた。

 患者さんも協力いただける先生も決まった。ありがたいことにスポンサー企業も現れた。そして迎えた当日、思わぬ出会いがあった。