手術は乳腺をとるのみに・・・

 

 

自主回収となった時期、ティッシュエキスパンダーだけが入っていて、インプラントを待っている患者さんは3000人を超えていた。保険適用になり、その前からも自費で入れられている方も多くいて、年間6000人が再建している。

 

今、このときもそのインプラントが入っている方ももちろんいる。不安を聞くこともある。非常に低率だが、別のがんができる可能性はこれで問題なのだが、どうして1つしか認可されていなかったのか。

 

その後、自主回収から3か月で別のインプラントが一か月のスピード審査で認可がおりた。患者会のみなさんの働きかけがあり、思いが届いた形だった。

 

 がんの位置によっては乳頭が温存できない方も多くいる。その後の再建が終われば自分の皮膚からつくることもできるし、シールのように貼れるものもある。乳輪もタトウーで作ることもできる。

 

患者さんの気持ちによりそう、様々な選択肢はできてきている。

 

もうこのようなことがないような安全性、複数認可、整容クオリティの担保などまだまだ課題は尽きない。

もちろん受けられる病院の数も、選択肢もだ。

 

 再建はココロは支える。胸って大事だ。

 

温泉が好きな方、お風呂に入れないとか、スポーツクラブで着替えるときも周りの目が気になるという声が多い。谷間はなくなるので、スカスカして洋服もえりぐりの深いものはもう着られない。

 

 私は両側なのでバランスは崩れなかったが、母は片側だったので術後、身体の重心のバランスが崩れる、なんか肩が張る、腰が痛い、と訴えていた。

 

さらに、当時はコロナ禍で不要不急ということで再建の手術の延期や術式の変更を余儀なくされている人もいた。身体のバランス、ココロのバランスをとるために不要不急でも再建は必要な人には選択できてほしいと思う。

 

 両胸を一気に失ってしまった私。術後、落ち着けば、今後も再建はもちろん可能。とはいえ、タイミングを逃した感は強い。今、あの手術をもう一度する気持ちになれず、さらに、エキスパンダーを入れるのとインプラントを入れるために2回も職場を長期離脱できるのか。まだ考えられない。