肩書・性別・年齢・国籍いずれも問わないメタバースの世界。
うさこさん最初は、病気のことは何も伝えずVTuberとしてアバターでお話したりしていました。

 

しかし、最終的に自分がまた再発して何かあったとしたら、その存在が生きた証しとしてキャラクターを残せるのではないかという考えが至ったそうです。

 

唯一無二に近い体験。VTuberの業界を知らない人にも、逆にVTuberの業界の若い人が多いから若くて無理しちゃう人のためにそういう話をした方がいいよと知り合った人にアドバイスを受けたことからYouTube配信で話すことに。その配信はかなり再生されています。


現実社会でも結局そのメタバースの社会でも基本的に言いづらいことはある。全部言う必要もなし、そうする必要もない。でも本当のところを聞きたいと思っている人はいらっしゃる。

自分は言えないんだけど誰かの体験を聞くことでプラスになると思っているかたもたくさんいると私も思います。

 

  助かったのは院内の薬剤師さんだった

 

家族の助けもありましたが、抗がん剤などでメンタルも苦しく、皮膚などの副作用も厳しいおり、話を聞いてくれたのが院内の薬剤師さん。薬の知識も豊富でよく相談にのってもらっていたそうです。皮膚が乾燥しないように乾燥ケア用保湿クリームの塗り方からステロイドの使用法などのアドバイスまで。うまくそういった医療者に頼る、ということも大事なことではないかと思います。

 

特に手のしびれや末端神経への副作用が強くでる抗がん剤のとき、目が見えなくなる、という体験もされました。抗がん剤をなんとか乗り越え、3回目に肝臓を半分切除、その再生を待って、4回目でもう半分を切除し、現在は経過観察をしているうさこさん。

 

うさこさん『元に戻ったとは思ってないですね、まったく。その元になる前と後ではものの考え方とかそれこそ生きること死ぬことっていうものに対しての捉え方は全然変わったので。生まれ変わってるという認識です。』

 

『髪が伸びてきて、顔のブツブツがだんだん引いてきてギリギリメイクで隠せるかぐらいになった時がターニングポイントでした。』

 

即手術、即抗がん剤、という治療であらかじめウイッグを用意する準備ができなかったうさこさん。そんな余裕がなかったと振り返ります。

 

うさこさん『私のお友達で難病指定された病気でずっと治療されていらっしゃる方がいて医療用のウィック譲ってくれてその気の回らなかった部分に、対応策があるって言うのを知り始めてからちょっと気が楽になりました。がん保険入ってた人と入ってなかった人でウィッグの差があったりしますよね・・・。』

 

一方でどこに髪を切りにいったらいいかわからない。普通の美容室いったらびっくりされるのではないか。患者さんの思いは複雑なのです。

 

うさこさん『伸びてきて抗がん剤の影響で、髪の毛ってちゃんとした髪の毛じゃなくてかなりチリチリの変な髪の毛で伸びてくるじゃないですか。この髪の毛の状態をちゃんと笑わないで切ってくれるとこはどこなんだろうと思って・・・。普通のところに行くことがもうノーマルな生活に戻る一番、自分のやれることだっていうふうに思って』

 

アピアランスケアの資格を持ってたりとかアピアランスケアに対応する美容室の検索をできるサイトがあってそこを当たって見てみたんですけど札幌には1軒あるかないかぐらいが実情。

 

うさこさん『ツイッターで知り合った美容師さんがいらっしゃったんですけどその店はすごく良くして下さったんですよ。でも行くのにちょっと足を伸ばさなきゃいけなかったんで家の近くでないかなと行ってみたんですけど・・・思うような対応をしていただけなかったんで ”ああそっかごめんね、困らせたねー”ってことはありました。』

 

私たちは困らしたねって思わなくていいと思うのですが、やはり気遣っちゃう、私たち。なんとなく後ろめたいというか変な気分になるんです。

(※アピアランスケアに重きを置く、以前サイトでご紹介した小樽の美容室はこちら

https://sodane.hokkaido.jp/column/202111261127001579.html )

そう思わない安らげる場所、存在が必要です。