乳がんにり患してから『離婚しよう』と思ったことがある。

というか大前提でいうと私はオットと入籍してはいないので、『別れよう』ということの方が正確なのかもしれない。

手術前のもんもんとしたときのことだった。

 

寝ても覚めても乳がんのことしか考えられない、あの日々。仕事をしている間はいいけれどもそうでないときはいつもサーチばかりしていた。

 

布団の中に入っても、それは繰り返され、ちっとも寝られない。

そんな私の状況を知りもせず、あっさりとグーグーとなりで寝ているオットに一緒にいられないなあ、と思ったのである。

 

胸もなくなるし、女性としては見られなくなる

温泉にももういけないよ

混浴とか貸し切り風呂なんてもうあり得ない

もちろん夜の生活も・・・

こどもも産めないし、先方の親戚にも申し訳ないか

 

考えれば考えるほど、もうこの人にとって自分は必要ない人でいらない人だから、もう入籍もしていないから自由にしてあげた方がいいのではないか。

 

ぐるぐるしていた。

 

オットは実はグーグー寝ていたわけではなく、彼もまた眠れないでいた。

かける言葉が難しかったからそっとしてくれていただけだった。

 

ここで何かいってもどうせ傷つくだったら何も言わずに旅行に行った方がいいんじゃないか、と彼は思ったそうだ。

なるほど。それで京都に連れていかれて、とりあえず、茅野輪くぐりの旅となった。

 

彼なりの答えだった。とりあえず、できることをしようとしてくれていたのだ。

 

以来、そんなことは思わず、感謝の念のみを持ち続けることができている。

 

のちにり患した同い年の友達の夫は同じ状況のときにため息ばっかりついていて、彼女もある意味『離婚したい』、と思ったそうだ。この話を聞いた私はオットから友達のダンナさんと話してもらってやっちゃいけないことあるある、、夫バージョントークをしてもらった。細かい内容は男の秘密らしく、わからないけど、状況は好転したようなのでよかった、と思う。

 

夫婦問題は病になるといろいろ起こる。伝えないことで起きることもあるし、伝えて起きることもある。

距離感、配慮具合、正解はないのだけれど、相手を思いやる心があれば誤解は解けるのかもしれない。

 

そんな話も含めて・・・

 

 

 

 

10月9日(月)午後2時からぜひご覧ください。