黒雲が迫る空を

いつまでも

見つめていた

風を受けて

波飛沫が頬に当たる

耳元で空気が震えて

ここに

私しかいない感覚に陥る

「準備はできてますね」

空に

雲に

海に

風に

訊かれた

一歩ずつ確かにここまで来た

これからも

歩いていく

光の待つ方へ

「オッケー」

もう振り返らない

そう決めた