嫁のくだりは省いてゆうちゃんに説明した。



「そっか、なんかごめんね?

でもさ、なんで来てくれたの?」



そんなの、わかりきってることじゃない。



な「、会いたかったから。」



私はいつでもゆうちゃんに会いたいんだよ。

そしてゆうちゃんも、



「ゆうも、会いたかった。」



同じ気持ちなのが嬉しい。



な「うん。」


「なぁちゃん、来てくれてほんとにありがとう。」


な「うん。」


「、、、そういえば今日から、お仕事だよね?」


な「うん。」


「じゃあ帰るよね、」


な「うん。」


「そっか、」


な「寂しいですか?」


「うん。」


な「連絡くれればいつでも会いに来ますよ?」


「うん。」










家に帰るともぎもシャワーを終えていた。

もぎがキッチンに来ると入れ替わりでなぁちゃんがシャワーに。



も「朝食、作るから座って待ってて!」


「え、悪いよ、」


も「いいからー!」



もぎが作ってくれると言うので任せることにした。

心愛ちゃんとずんはみーおんと一緒に遊んでいる。

数時間ぶりにスマホを見ると亮介さんからの不在着信とメールが来ていた。

内容としては〝1回きちんと話がしたい〟との事。

返す言葉を考えることがめんどくさくてそのまま放置した。

それからみんなで朝食を食べて少しゆっくりして、みんなが帰る時間に。



心愛「やだっ!かえらない!」


涼「ずん、ここあといるもん!」



2人が駄々をこねる。

怒ろうにも怒れなくて、大人4人で困惑状態。



な「心愛、帰ろう?またすぐ会えるよ?」


心愛「いやだっ、」


「ずん、ばいばいしよ?」


涼「しないっ、」



2時間以上拗ねられてさすがになぁちゃん達の仕事の時間が迫ってくる。



「んー、、、うん。わかった。いいよ。」


お「ゆいりちゃん?」


「ここから仕事場まで2時間半ぐらいかかると思うけど、心愛ちゃんのこと預かるね。

もしなぁちゃんがいいならだけど、」


な「いいの?」


「うん。ここに帰ってくる?」


な「うん。」


「じゃあ、鍵、渡す。多分寝てるから。」


な「分かりました。」









3人が帰って、家の中に3人。

ちょこの散歩をして買い物に行って夜ご飯の時間。



「ご飯だよー」



呼ぶと2人で手を繋いで歩いてくる。

2人して美味しそうに食べるからなんだか幸せ。

寝る時間になるといつもは私が居ないと寝れないはずのずんが先にベットに行った。

ついて行くと2人で仲良くベットで寝ようとしていた。



「2人とも寒くない?」


涼「うん。」


心愛「うん。」


「電気消す?」


涼「うん。」


心愛「うん。」


「それじゃあ、おやすみ。」



私も少しゆっくりしたら寝ようかなと、リビングに戻ろうとしたら



涼「まま、、」



とずんが私を呼んだ。



「んー?」


涼「あのね、、ありがとう。

ここあといっしょ、うれしい。

でも、わがまま、ごめんなさい。」

心愛「ここあも、ごめんなさい。」



2人とも、笑



「今日楽しかった?」


涼「たのしかった!」


心愛「ここあも!」


「じゃあたくさん寝て、明日元気いっぱいで起きようね!」


涼「うん!」


心愛「うん!」


「おやすみ。」



子供たちは思ったよりも大人みたい。

リビングに戻って、なぁちゃんに〝心愛ちゃん寝たよ。〟とメールを送って

亮介さんのメールに返信をした。


〝明日の仕事後でいいですか?〟と。









シャワーを終えて、食器洗い、洗濯、掃除をする。

全部終えたらなぁちゃん用に軽い夜食と湯船にお湯を溜めて、着替えとメモ書きを残す。

ここまでが今日私が寝るまでにやること。

1つ1つ丁寧にこなして、全部終わった時には2時だった。

明日、もう今日になってしまってるけど

朝早くから仕事があるからそろそろ就寝しなければ明日に影響してしまう。

トイレに行って子供達が寝ているベットの下に布団を敷いてそこに寝る。

目をつぶると一瞬で眠りに。







ピピッ   ピピッ   ピピッ



「ん、、」


もう朝、、。


サワッ

!?


お腹辺りに手の感触。

後ろを振り返ると、なぁちゃんが寝ていた。

そうだ、なぁちゃん達いるんだった。

いつも居ない存在に慣れない。

体を思いっきり伸ばして立ち上がる。

リビングに行くと、なぁちゃんの脱いだ服が散らばっていてらしくないなと思った。

ちょこをゲージから出して、餌をあげる。

そして朝ごはんを用意していると、



涼「ままー、おはよう!」


心愛「おはよぅ、」



眠そうな心愛ちゃんと元気なずんが起きてきた。



「2人とも寝れた?」


涼「うん!」


心愛「まだ、ねむたい、」


「心愛ちゃん、なぁちゃん寝てるから、一緒に寝てきていいよ?」


心愛「うん、」



1人でとぼとぼ歩く姿。

やっぱりなぁちゃんに似ている。

ずんと私はいつも通りに用意して仕事へ向かう。

ちょこはゲージに戻して、なぁちゃん達のご飯を用意してメモを残した。

14時ぐらいになぁちゃんからメールで

〝今起きました、おはようございます。
ご飯ありがとうございます。
お仕事頑張ってください。〟


〝家出る時、鍵返したいんで会社に渡しに行ってもいいですか?〟

と2件送られてきた。

気がついたのは3時の休憩の時。

急いで会社の住所を送った。





しばらくして会社の内線で下にお客さんが来ていると連絡があり、急いで向かう。

エレベーターを降りてフロアのどこかにいるなぁちゃんを探そうと周りを見渡していると



ウィーン



玄関口の自動ドアが開いてたくさんの人が入ってきた。

その真ん中には外部で会議を終えたであろう亮介さんの姿が。

亮介さんから目線をズラすとなぁちゃんらしき人が目にはいる。

そこへ足を運ぼうとした瞬間、



亮介「村山さん、ちょっと話があります。

この後社長室に来てください。」



と大勢の前で言われた。



「わかりました。」



そう言うしかない。

エレベーターが上に行ったのを確認して、なぁちゃんの元へ。






「ごめんね?わざわざありがとう。」


な「大丈夫ですか?」



さっきのことを見ていたなぁちゃん。

少し、いやかなり心配してくれている。



「うん、大丈夫だよ?」


な「手、震えてる。」



鍵をもらおうと伸ばした手を握られて気づいた。



な「ほんとに大丈夫?」


「、、うん。」


な「あ、そういえばまだゆうちゃんに言ってないことがあって、、、

それ言っておきますね?

もしその事で何かあったら言ってください。」


「うん、?」


な「一昨日、ゆうちゃんを迎えに行った時、

あの人に私が旦那だって思われたと思います。」


「え、なんで?」


な「それは、、うん。

ゆうちゃんが酔い潰れてて連れて帰ろうとしたら話しかけられて、

ずんちゃんもいたからもぎさんが中に来てくれたんです。

私たちは早くお店から出たいのに話しかけ続けてくるから、

もぎさんが私の事を〝旦那〟って言って、、

だから、その、もし彼氏さんだったのなら申し訳ないなって思って、、」


「彼氏じゃないよ。」


な「そっか、それなら良かった。」



なぁちゃんももぎも守ってくれてたんだ。

本当、頭が上がらない。



「ありがとう。」