私は心愛ちゃんを抱っこして、

なぁちゃんはずんを抱っこしてお店から出る。

今は3時。

子供は寝てる。

何したらいいのか分からない。



も「この後どうする?」


お「私たちはホテル探さなきゃ!」


も「あちゃー、忘れてた、、」


お「ゆうちゃんは?」


「事前に予約してる!」


お「じゃあここでばいばいか、」



それは出来なさそう笑

心愛ちゃんは私に引っ付いてる。

ずんもなぁちゃんに。



「とりあえず、私の部屋に来て同じホテルで部屋空いてたら泊まったら?

もし空いてなくても近くにホテルいっぱいあったから見つかると思う。」


も「いいの!!?」


「うん。

ずんが気持ちよさそうに寝てるの起こすのは可哀想だし、

心愛ちゃんも寝てるからさ。

あ、でも嫌だったら全然、、、」


な「行きます!」


も「よし!駅行こう!」


お「ゆうちゃん住所どこー?!」


「えっと、・・・」









ボフッ


ドサッ



も「すごいね、ここのホテル。」



ソファーに腰かけるもぎは疲れたのか天井を見上げている。



「なぁちゃん、ここ、子供達寝かせてあげよ?」


な「はい。」



部屋がとても大きくて、寝室は2つある。

テレビも2つあって驚いた。

ベランダには椅子があってオシャレ。

ぐっすり寝てる子供達をベットに寝かせて今日買ってあげたぬいぐるみをそばに置く。

そっと寝室を出てもぎのいるところへ。



も「ねぇここ絶対高いよね?」


「んー、わかんない笑」


な「誰かにとってもらったんですか?」



取ってもらったって言うか、半分押し付け?










実家のある街から離れた私は車で2時間、電車だと4時間の街に引っ越した。

仕事はダンスではないものを探すけど見つからなくて、

初めはコールセンターで働いていた。

だけどずんのことをご近所さんに預ける毎日でこれじゃダメだと思って辞めた。



辞めた日にご近所さんにいつものお礼にと思ってケーキなどを買って行ったら、

見たことない男の人がずんと遊んでいた。



おばちゃんに手土産を渡して、

仕事を辞めたことを伝え、

ずんが来るのを待つ。





「あのー、」



「はい、あ、はじめして。」


ペコリ


「娘と遊んでくださりありがとうございました。」



「いえ!子供好きなので!」



爽やかでみんなから好かれそうな、優しそうな雰囲気の男性だった。




涼「ままー!」



「ずん!お兄さんにありがとうございますした?」



涼「りょうたん、ありがとう!」



「うん!またおいでね?」



涼「うん!ずん、またあそぶ!」



ずんが嬉しそうに話すのを見て成長を感じていると、




「あ、俺、亮介っていいます。」




私、名乗るべき?



「亮介!そういえば人探してなかった?

村山ちゃん、今日仕事やめたんだって!

どう?

可愛いし、いい子だから頼んでみたら?」



おばちゃんが私たちのところに来た。



「私の息子、こう見えても会社の社長なの〜。

だから、もし良かったら息子の会社どう?

息子の会社は子供預ける所もあるから条件的にはいいと思うけど?」




今の私には選択肢は無い。




「いいんですか?」



「ちょ、ちょっと待っててください。」




勢いよく家の中に入っていき、

しばらくしてカードケース?を片手に現れる。




「これ、名刺です。」



渡されたのは白い紙に電話番号、メールアドレスなどが記されたもの。



「ありがとうございます。」


「えっと、、」


「あ、村山、村山彩希です。

年齢は29で、娘と2人です。」


「村山さん、私の会社に来て頂けませんか?」



こんなタイミングよく仕事が見つかるなんてありがたい。



「よろしくお願いします。」



こうして亮介さんの会社に勤めることになった。







そして最近、



亮介「村山さん、ちょっといいですか!」



社長室に呼び出された私。



亮介「あの、これ、良かったら涼羽ちゃんと旅行にでも行ってください!」



水族館のチケットが2枚亮介さんの手にある。



「亮介さん、彼女と行ったらどうですか?」


亮介「彼女いませんよ、それに最近忙しいみたいなので息抜きにどうぞ!」


「えー、悪いですよ。」


亮介「感想待ってます。」



強制的に手にチケットを握らされて会議に行ってしまった亮介さん。

社長室の真ん中でチケットを手に1人残された。

結局、言葉に甘えて旅行に来た。



「会社の社長がね?取ってくれたの。」



半分押し付けだったけど笑



も「社長!すごいね!」


な「社長、」


「うん。お礼しなきゃなって思ってるんだけどね、

何したらいいかわかんないんだー。」


も「忙しい人なんだね。」


「そうみたい。」


な「、、、」


「なぁちゃん?」


な「、、子供の様子見てきます。」



少し様子のおかしいなぁちゃん。

子供たちのいる寝室に行ってしまった。