泣いて泣きつづけて
わけがわからなくなった頃
仕事から帰宅しただんなの車の
エンジンが切れる音でわれにかえった
また心臓が爆音
玄関のドアがあき
下を向いたままで靴を脱いだ
ねぇ
冗談でしょ
とすがるように聞いたわたしに
黙って首を横にふった
「なにもかも捨てて一人になりたいと思った
でも無理だよな」
それだけいうと
今日はもう寝るといって寝てしまった
その頃は毎日朝6時前に出勤して
夜11過ぎに帰宅するという
過労死してもおかしくない状況で
その日もくたくたになって帰宅した彼に
それ以上責めたてることはできなかった
この異常な忙しさもあと半月で落ち着く
それまで話し合うのはやめておこう
不安だったけど
ぐっとこらえたのを覚えている
わたしはこの人の妻なんだからって