こんにちは🌸

本日は、
昨年の発表会で生徒さんが歌われた曲について
書こうと思います🎵


こちらはベッリーニが作曲した歌曲
「6つのアリエッタ」の6曲目にあたります。

Ma rendi pur contento🟰喜ばせてあげて

この日本語の題名だけ聞くと「?」
という感じもするかもしれません。

全音楽譜出版社から出ている
"ベッリーニ歌曲集"に収録されている題名で
最もポピュラーな訳だと思います。

題名は、詩のはじめの一文からつけられています。

Ma rendi pur contento
della mia bella il core,

contentoとは、満足などの意味もありますので、
簡単に訳しますと

"しかし(喜びや幸せで)満たしてください
 私の美しい人の心を"

となります。

つまり、私の愛しい人を幸せにしてあげて!
という曲なのです。


穏やかで優しく、
とても美しく耳に残る曲です。

初心者の方でも、大学の副科などでも、
イタリア歌曲集とベッリーニ歌曲集は歌われることが多いかと思います。

…が!
この曲は、とってもとーっても難しい部類に入ると個人的には思います。

以下三つほど、気をつけたい難しいポイントを挙げてみます。


1️⃣ピアノ伴奏が単純である

ピアノは音数が少なく、静かで、
ともすれば単調なリズムを繰り返します。
和音は変わりますが、
曲の盛り上がる場面でもピアノの音型は一定のままです。

つまり、歌がメインで担う役割がとても大きくなってきます。
ピアノを聴いてばかりいては、
テンポはどんどん遅くなってゆったりしてしまい、
中だるみするな、ただ静かな曲だな…
という印象を与えてしまうかも。

伴奏の音数の少ない曲って、
とっても難しいのです。

ほかの楽器も似たようなことがあると思いますが、
シンプルな曲ほど難しい。

自分が指揮者であるようなつもりで
ピアノをリードする気持ちが大切です。
 
 
2️⃣歌に休符が多い

ここも非常に難しいポイントです。

まず、出だしのMaのあとすぐに8分休符がやってきます。

ここで大切なのは、
歌う小節だけを見るのではなく、
詩の文章としての切れ目を見ることです。

この曲は、基本的に4小節で文章が一まとまりとなっているので

Ma rendi pur contento
della mia bella il core,

までを見渡して一息で歌うようなつもりで心構えをしておくことが大事!

でもMaのあとの8分休符はきちんととらないと
曲の良さがなくなってしまいます。
楽譜に忠実にということも大事。

そこで、身体の意識が途切れないように
Maのあとお腹で音を切ります。
これもある程度身体ができてこないと難しい💦
 
 
3️⃣メロディが上下する

旋律が上がったり下がったりするのも、
歌いにくいポイント。

体の中を息が通り抜けるイメージで歌うのがコツといえるかもしれません。

そして大事な単語のところで、旋律が難しい。

core(彼女の)心
pavento(彼女の)苦悩
lei彼女の(中で)

↑三つを例に挙げましたが、
これだけでなく全編通して
一つの母音を歌う間に音が上がったり下がったりするのです。

発声的に見直して歌うことも大事ですが、
やはりベッリーニも心を込めるところでメロディを装飾しているので、
詩の内容を想像し、自分の中に落とし込んで
心を込めて歌うことがいちばんじゃないかなと思います。


レッスンではほかに最後の高音の歌い方など
少しずつ生徒さんと演奏を練っていきました。

12月の発表会ではいい演奏をしてくれたと思っています✨

本日は細かく書きましたが、
歌う人って、普段歌わない方が想像するよりも
いろんなことを考えて練習しています。
そして本番では全部空っぽにして歌う…といった感じ🤣

レッスン内では、
歌う楽しさ、音楽の深く面白いところなど
生徒さんひとりひとりの進度や経験に合わせて
楽しくレッスンしていくことを心がけています。

これからもたくさんの曲を通じて
声楽の魅力を発信していければと思います🎵


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