大学3年生になり

高さんと私は学部が別になりました

 

毎日顔を合わせることができないので

曜日を決めて会うことにしました

 

学内の運動施設で待ち合わせ

 

細身な高さんは筋肉をつけたくて

私はシェイプアップをしたくて

トレーニング施設に通いました

 

筋肉は毎日トレーニングするよりも

週に数日の休みを入れながら鍛えると良いというので

会う頻度としてはちょうど良かったです

 

 

この頃の私の体型は引き締まってました

ウエストは60をきっていて

ヒップはキュッと上がってました

私の肉体の最盛期かもしれない(笑)

 

気持ちいい汗をかいた後は

シャワーを浴びてスッキリして

少し話をしてからそれぞれの自宅に帰りました

 

今思い返しても

とっても健全なお付き合いでしたね


 

 

そんな穏やかな感じで

学部学科が分かれてからも

半年ほどお付き合いが続いていました


 

でも…私の方に変化が起きていました


 

 

進学先の学科で

私のことを気に入ってくれる人がいました

 

私も少しは気になる存在でしたが

高さんという彼氏がいるので

あまり気にしないようにしていました


私に医学部の彼がいることは

学科のクラスの人に知られていたので

その人も知っていたはず


 

でも、少しは気があると

何かで感じたのかもしれません

 

その人からのアプローチが始まりました

 

 

高さんと運動施設で待ち合わせした時

私の後をついてきたようで

 

高さんと鉢合わせして

宣戦布告のようなことを言いました

好戦的というほどでもないですが

具体的になんて言ったかは覚えてませんけど

私と付き合いたいようなことを言いました


 

高さんは急なことで驚いていました

私も驚きました

 

付き合うという話もしていないのに

なんでそんなことを言うのだろう

 

確かに教室で話すことは多いし

アプローチが増えたように感じたけれど

告白するとかそういうことはありませんでした

 

 

とりあえずその場をおさめて

お帰りいただきました

 

 

高さんとはその後に話し合いました

 

元々友達から始めた私たち

ドロドロした恋愛は望んでいません

 

ただ、ふたりで楽しい時間を過ごせたらいいと思っていました

 

 

高さんも私も

結婚を前提に…とまでは考えていません

 

高さんの家庭のイメージは

医者として多忙な自分とそれを支える専業主婦の妻

自分のお母さんのような家庭的な人を望んでいると思いました

 

私は仕事をずっと続けていくつもりだし

そもそもの生活レベルが違い過ぎて

金銭感覚その他の生活価値観が違うように感じていました


 

 

高さんに私の気持ちを聞かれました

 

高さんのことが好きだし

穏やかな付き合いで幸せを感じていること

 

でも、高さんには釣り合わないと感じていて

好きになってもらえたのか不安があったこと


彼のことは少し気になったのは確かだけど

浮気をしたとかそういう事実はないこと

 

高さんに正直に話しました

 

 

高さんは穏やかな口調で話してくれました

 

始めは確かに友達としか思っていなかったけど

付き合ううちに好きになった

 

でも、だから

すぐ傍に彼のような存在が居ると思うと

これから先を穏やかな気持ちで過ごせない気がする

不安になってしまうように思う

 

別れた方が良いのかもしれないね…

 

 

私は、高さんの好きになったという

その言葉を聞いたら涙が溢れてきました

 

初めて好きって言ってくれたのが

別れ話の時だなんて…


切なすぎます

 

 

でも、高さんの言うとおりかもしれない

 

いつか別れのときは来ると思っていた

それが今なのかもしれない



もともと不釣り合いな私たち


裕福な家庭で素直に育った高さん

貧乏な家庭でひねくれて育った私


育った環境が違いすぎる


高さんは真面目で誠実な人だし

優しくて女性を大事にするから

素敵な彼女がすぐにできるように思う

 

 

高さんとは笑顔でさよならしました


 

 

それから会うことはありませんでしたが

高さんは勤務医として活躍しているようです


医者という職種は

フルネームで検索すると

情報がヒットするんですよね


きっと真面目で落ち着いた雰囲気の

信頼できる医師になっていることでしょう



もし、大学の同窓会で再会したとしても

笑顔で挨拶ができるように思います