転ちゃんのことは数年またいでます

 

一気に書いてしまいたかったから

 

大切な友の記憶ですが

思い出すと涙ぐんでしまいます

 

 

さて、時を戻します

 

 

転ちゃんを送り出して

彼女とうまくいったことを確認した頃

 

大学1年の冬あたりでしょうか

 

 

英さんの事故を聞いたときに

バイクに詳しい転ちゃんに話したんです

 

おそらくタンクにヒビが入っていたんだよ

修理代をケチったのか知らないけど

修理せずに乗って爆発したんだろうから

それは夜空ちゃんのせいじゃないよ

 

もう放っておいていいんじゃない?

 

そうだな~って思いました

 

私が深夜バイトをしていた3カ月間

まったく連絡が来なかったし

当然、会いにも来ませんでした

 

もう私に飽きて

他の女性のところにいったのだろうし

たくさん居たみたいだからよりどりみどり?

 

私はもう解放されてもいいんじゃないか

そう思いました

 

 

好きでもない人と付き合って

浮気を疑って苦しんで悩んでいる間に

違う人に寝取られて翻弄されて

 

私は何をやってるんだろう…

 

きっと好きな人への気持ちに踏ん切りがつかないから

迷走しているのかもしれない

 

レンさんに会いにいこうと思いました

 

 

母とレンさんのお母さんは仲が良くて

連絡をやり取りしています

 

レンさんは大学入学当時に学生寮に入っていましたが

その当時はお母さんと同居していると聞いていました

 

電話番号も知っていたので連絡して会いに行きました

 

久しぶりに会いましたが

高校の時に戻ったようでした

 

お父さんは中学の頃に亡くなっていて

それから母子家庭だったので

住まいの場所が変わっただけで生活は同じ

 

前と違うのは

学校が違うことと

私の家からの距離が遠くなってしまって

頻繁には遊びに行けないということです

 

 

どのタイミングで伝えたか忘れましたが

一度きちんと付き合ってほしいと伝えました

 

あっけないほど簡単に

レンさんは了承してくれました

 

 

当時、レンさんは

オンラインゲームにどっぷりはまっていました

 

私が遊びに行っても

ずっと自室に籠ってゲームしていました

 

私はただ横に座って

レンさんがゲームをしているのを見ているだけ

 

レンさんのお母さんとお茶して話すことの方が多かったです

 

レンさんのお母さんには可愛がられていて

コーデュロイ素材のスーツを買ってくれました

他にも服をもらいましたね

お洒落が好きなお母さんでした

 

 

私はレンさんに

もっと何か一緒にしようと提案しました

 

そうしたら誘われました

 

一緒にオンラインゲームをしようよ

ゲームの中だったら毎日でも会えるし

きっと楽しいよ

 

 

私の家は前回書いたとおりド貧乏です

 

東京の家にテレビはありません

インターネット環境もありません

 

家にネット環境がないからできないと答えると

なにか提案されたような気がします

忘れちゃいました…

私は気乗りがしなかったので断ったように思います

 

 

仮想空間じゃなくて

現実世界を見てほしかった

 

現実に居る私を見てほしかった

 

何度か伝えたような気がします

 

部屋でイチャイチャすることもなくて

恋人らしいことをしていない

 

傍で見ているだけでも幸せだけど

それだけだと虚しくなってしまうのよ

 

 

一度だけ外に食べに出たように思います

 

韓国料理だったかな

私は辛いのが苦手なのに辛いトッポギを食べて大騒ぎ

マッコリを飲むと辛さが中和されるんですよね

 

マッコリを甕で注文したら量が多すぎて

飲みきるのが大変だったな

ふたりでベロベロに酔って

腕を組みながら陽気に帰ったように思います


楽しかったな…

 

お出掛けした記憶はそのくらいです

 

 

 

ある日

レンさんのお母さんに乳ガンが見つかりました

 

お母さんが手術で入院するという日

レンさんは付き添わずに家に居ると聞きました

 

私は家まで行きました

お母さんはきっと不安だろうから

レンさんに付き添うように言いました

 

でも、聞いてくれなかった

 

私の言葉なんて届かないんだと

とても悲しくなってしまいました

 

そこから私の哀しみが溢れ出してしまい

泣きながら訴えてしまったんです

 

こんなにも好きな気持ちがなぜ届かないのか

どうして私を見てくれないのか

 

 

私の泣いている様子を見て

レンさんは別れの言葉を口にしました

 

自分もこのままじゃいけないと思うけど

変わろうとは思ったけど

やっぱり自分はダメな奴なんだ

もう付き合うのはやめよう

 

 

恋人らしいことをほとんどできないまま

私は2度目の失恋をしました

 

 

 

でも、今の私なら

この時のレンさんの気持ちがわかります

 

私の幸せそうな笑顔を見ていたいのに

自分では笑顔にすることができない

 

自分に対して嫌気がさしてしまったのだと思います

 

 

レンさんは付き合ってもいいかな程度なのに

私の好きな気持ちが大きすぎて

そのアンバランスでうまくいかなかった

 

私に忍耐が足りなかったのでしょうけど

その当時はきっと

私ではレンさんを変えることはできなかったと思います

 

 

それからはレンさんのことを

もう好きな人として想うことを止めようと思いました

 

年賀状や電話では友達として繋がっていましたが

会いに行くのを止めました

 

それから20年間ほどの会わない期間になるのです

 

 

レンさんのお母さんのことは

母から情報として聞いていました

 

乳ガンの経過は母から聞きましたが

乳ガンの処置後に膠原病を発症して

大変なことになっていると聞きました

 

それを知るのはずっと後の話です