【★評価】 (五つ星評価)
★★★★★
【解説・ストーリー】
幼なじみの若者アンソニー、アレク、スペンサーの3人が、旅行中に遭遇した無差別テロにいかにして果敢に立ち向かうことが出来たのか、その知られざる真実の物語を、彼らの子ども時代からの半生と、緊迫の事件のリアルかつ詳細な再現を通して明らかにしていく。
【レビュー】
実話を基にした作品。
ノンフィクションを撮らせたらこの人の右に出るものはいないのではないかと思わせるほどの存在となっているイーストウッド監督。
すっかり巨匠です。
私は年々、彼が作る作品のファンになっていってます。
恐らく私が年を重ねたことで、彼が撮る、人々の愛情や深みが理解できるようになってきたからかもしれません。
なんてこともない人生を送っている3人の幼馴染が、いったいどうやってヒーローになるの?
と思っていたら、なんてこともない人生を真面目に生きているからこそ、その延長線上でヒーローになるわけですね。
3人の主人公は全員本人が演じています。すなわち、全員演技は素人。
また、事件が起きた列車に偶然乗り合わせていた乗客たちの多くが本人役としてこの作品に登場しているとのこと。
登場人物の多くが、劇中で自らを演じるという粋な演出。
よくもまぁ、米軍と合意にこぎつけたものですね。
善良な人たちがその善良さをもってして人助けをした事実を、
本人たち出演による映画化を行い、彼らの偉大さを改めて称える。
なんて粋なことをするんだろうかと、イーストウッドの手腕に改めてくだを巻きました。
彼の作品は、すがすがしい気持ちになり、見てよかったと思わせてくれます。
【基本情報】
原題: THE 15:17 TO PARIS
製作年: 2018年
上映時間: 94分
製作国: アメリカ
監督: クリント・イーストウッド
【出演】
アンソニー・サドラー 本人
アレク・スカラトス 本人
スペンサー・ストーン 本人
ジェナ・フィッシャー アレクの母
ジュディ・グリア スペンサーの母