4分間のピアニスト/VIER MINUTEN | 映画とともに生きる

映画とともに生きる

気がつけばいつも、生活の中に映画がある

【★評価】 (五つ星評価)
★★
映画にうっとり Sugarなひととき

【解説・ストーリー】

ピアノ教師として刑務所を訪れたトラウデ・クリューガーは、机を鍵盤代わりに無心で指を動かしている女性に目を留める。彼女の名はジェニー。天才ピアニストとして将来を嘱望されながらも道を踏み外してしまい刑務所暮らしの日々。心を閉ざし、衝動的に暴力を振るう彼女は刑務所内でも札付きの問題児。それでも、ジェニーの才能を見抜いたトラウデは所長を説得して特別レッスンを始める。来るべきコンクールでの優勝を目指し、厳しくも情熱をもって指導に当たるトラウデに、ジェニーも次第に心を開き始めるのだったが…。


【レビュー】

今も昔も刑務所事情をまったく知らないけれど、

楽器は許されるものなのかな。それとも許されないものなのかな。


才能があるから、という理由で、

ある特定の服役者を特別にピアノレッスンを許可したり、

外出してコンテストに出場させたりすることがあり得ることなのかがよくわからない。

きっとあり得ないのでしょうけれど。


心を閉ざしているもの同士が互いに惹かれあい、

心を開き始める様子を描いていますが、

服役している少女のほうの過去の事情があまり説明されないため、いまいち共感できない。


養父からピアノの英才教育を受け、それに反発した過去を持つことは語られるものの、

その過去と殺人を犯したこととの関連がわからず、

そもそも本当に殺人を犯したのか、そうだとすると理由は何なのかがわからない。


そのあたりがクリアになれば、彼女の凶暴性を帯びた性格を理解でき、

共感しやすかったかも。


最後の4分間の演奏は、本当に彼女がやりたかった演奏なのかもよくわからなかった。

反発しているだけの気がしてならなかったけど、

あの演奏で彼女が気持ち的に自由になったというオチだったのかな。
それなら良いのだけれど・・・


ピアノをやっていた身としては、最後の演奏はクラシカルな演奏を望んでしまいました。

そのほうが私は鳥肌が立つ。

実際、『トウキョウソナタ』の最後の少年の演奏では鳥肌が立ちました。


ぽちっと応援お願いします。




【基本情報】
原題: VIER MINUTEN
製作年: 2006年
上映時間: 115分
製作国: ドイツ


監督: クリス・クラウス
製作: アレクサンドラ・コルデス マイク・コルデス
脚本: クリス・クラウス
撮影: ユーディット・カウフマン
プロダクションデザイン: ジルク・ビューア
衣装デザイン: ジョイア・ラスペ
編集: ウータ・シュミット
音楽: アネッテ・フォックス


【出演】

モニカ・ブライブトロイ          トラウデ・クリューガー
ハンナー・ヘルツシュプルング     ジェニー・フォン・レーベン
スヴェン・ピッピッヒ            ミュッツェ
リッキー・ミューラー           コワルスキー
ヤスミン・タバタバイ           アイゼ