そして次の日、北風(プリンス)と太陽(マイケル)は、それぞれに秘密兵器を持って再び勝負の場に現れました。
二人は自分の装備の確認をしながら、昨日ターゲットになった旅人の通る道を先回りして待つことにしました。二人とも不敵の笑みを浮かべています。
「ふふん、何を用意したか知らんけどやる気満々みたいだな。今日は僕の強力な妹分がリベンジに来てくれたんだぜ。Ladies and jentlemen, please welcome! 出でよ!シーラ・E!」
北風は、先手必勝、とばかりに妹分のシーラ・E をいきなり投入してきました。
すると、どうでしょう。旅人は急に帽子を脱ぎました。シーラ・E のカッコよさに「脱帽!」ということなのでしょうか。しかし相変わらず上着は脱ぎません。北風は勝ったのかどうか判断ができず、むしゃくしゃしてギターをかき鳴らしました。ぎゅわぎゅわぎゅわ~ん。
太陽はその様子を見て笑い転げていましたが、気を取り直して北風にこう言いました。
「なるほど、『妹分』ね。それじゃこっちは本物の『妹』で勝負するよ。この子はすごいからね。もう勝負はついたも同然さ。Hey, come on , Janet Jackson ! 」
旅人は、ジャネットの映像を最後まで見てから、やおらズボンを脱ぎ始めました。ポロリとやっちまった彼女の姿に何かを感じたのでしょうか。やっぱり上着は脱ぎませんが、パンツまで脱いでしまいそうな勢いです。太陽は勝ったのかどうか判断ができず、しかも妹のあらぬ姿への動揺もあいまって、前のめりに倒れそうになりました。
そんなこんなで、今日も決着がつきませんでした。北風と太陽は己の能力の限界を感じ始めていましたが、相手にそれを悟らせるわけにはいきません。お互い意地がありますから。
それと同時に二人は、どうあっても上着を脱がない旅人に対しても疑問を抱き始めました。
【つづく】
次で終わります。多分(笑)。