政治学から見るAKB総選挙 -10ページ目

政治学から見るAKB総選挙

政治学から見るとAKB選抜総選挙は興味深い要素が盛りだくさん。
それらの解説を通して、政治学も学んでもらおうというブログです。

 「AKB総選挙っていっても、選挙ではないよね?」という批判を耳にしたことがある人も多いでしょう。その批判はどのような立場からの批判なのでしょうか。またその批判は合理的なのでしょうか。一緒に考えてみましょう。



 最初に、選挙について確認してみましょう。中学や高校のときに、社会科や政治・経済の科目を通じて、選挙について学んだ人も多いはずです。選挙の基本原則をもう一度、思い出してください。現在の日本などで実施されている「選挙」には「普通選挙」「平等選挙」「直接選挙」「秘密選挙」「自由選挙」といった原則があります。それぞれは以下のような意味になります。

 ①普通選挙~財産の有無や納税額などによって選挙権に差別を設けない。

 ②平等選挙~選挙権の内容を平等にする。11票の原則。

 ③直接選挙~選挙人が直接選挙を行う。

 ④秘密選挙~誰が誰に投票したかをわからないようにする。

 ⑤自由選挙~立候補の自由、選挙運動の自由を保障する。

AKB総選挙は選挙ではない」と批判する立場は、上のどれかが当てはまっていないと判断しているといえるでしょう。



 議論に入る前に、AKB総選挙について確認しておきましょう。投票する権利である選挙権について、資格が有るのは以下です。

a) 21stシングル「Everyday、カチューシャ」通常盤CD購入者 

b) AKB48公式ファンクラブ「柱の会」会員 

c) 公式携帯サイトAKB48 Mobile会員

d) 公式携帯サイトSKE48 Mobile会員

e) 公式携帯サイトNMB48 Mobile会員

f) DMM.comAKB48 LIVE!! ON DEMAND」月額見放題会員

ここでaからfのそれぞれの条件は同時に満たすことが可能です。1人で複数の票を持つことができるわけです。



政治学から見たAKB総選挙-選挙の原則


 さらに述べると、aのシングルの購入者に注目するべきです。一般にCDシングルは11枚購入するものだと思います。AKB48の楽曲の場合は少し状況が異なります。AKB48の場合、CDシングルのジャケットが何種類か発売されます。ある程度のファンになると、それらのジャケット全部を購入する場合が多いようです。今回の総選挙の投票券は、「通常盤Type-A」「通常盤Type-B」に入っていましたので、ある程度のファンはCDシングルだけでも12票を持っていたといえます。



 ということは、さらに次のようにも言えます。非常に熱心なファンは、1人でシングルを大量に購入して、大量の選挙権を手に入れることができます。どれくらい購入するのかはわかりませんが、実際に今回の選挙では、個人が1人で1000枚のシングルを購入したという噂もあります。


 さて選挙の基本原則に戻りましょう。5つの原則の中で、AKB選抜総選挙が特に満たしていないと考えられるのは、「平等選挙」の原則となるでしょう。平等選挙の原則とは選挙権の内容を平等とするということで、簡単に言うと、1人に1票を与えるという原則になります。しかしAKB選抜総選挙では、11票という制度ではありませんでした。



 選挙の基本原則の1つである平等選挙が破られている以上、AKB選抜総選挙は日本で一般的に思い出されるような「選挙」ではないといえるでしょう。これは当事者であるAKB48メンバーも気が付いています。大島優子は2位の受賞時に、「第三者は、いろんなことを言います。『この票数、ひとり何枚も買って、本当に総選挙と言えるのか?』と。『選挙はひとり1票じゃないのか』。いろんなことをAKBの周りは言います。」と述べ、この問題について的確に指摘しています。



 つまりAKB選抜総選挙は日本で実施されている「選挙」と同じではないといえます。それではAKB総選挙は意味がないことなのでしょうか?



*日本で実施されている選挙と同等の場合には「選挙」と表記しています。

 前回はAKO研究会について説明しました。AKO研究会は、「AKB総選挙を政治学的に分析する」ことを目的としています。今回はこのブログについて説明します。


 このブログはAKO研究会の成果を世に出すために設置しました。それですので、このブログでは「AKB総選挙を政治学的に分析する」という立場から、各記事を書いていく予定です。AKB48には多くの魅力があると思いますが、所長の力量では「AKB48論」などはとても執筆できそうにありません。あくまでAKB48の一部に焦点をあてるということになります。


 前回にも書きましたが、何かを批判するというよりも、「政治学の視点ではこのように見ることができるよ」という立場で記事を書いていこうと思っています。それですので、AKB総選挙の制度などに興味があるファンの方、政治学を習い始めた大学生の方、大学で政治学を教えている教員の方などには興味を持ってもらえると思います。


 それでは次回から、本題に入っていこうと思います!


 20116月に実施された第3AKB選抜総選挙(以下、AKB総選挙)は一般紙にも取り上げられるなど、非常に大きな話題性をもったイベントとなりました。いまやAKB48のメンバーをテレビで見ない日はないのではないでしょうか。また「AKB48」という名前を全く知らない人はほとんどいないように思います。筆者も70歳前後の方とお話しした時に、AKB48を知っていたのでびっくりしたことがあります。


 AKB総選挙は、実は政治学的に見ても、非常に興味深い要素がたくさん含まれています。実際に、AKB総選挙の諸制度の中には、現在の選挙を反映させているものがあります。こういう点では、非常にリアルだと言えます。それだけではありません。ある部分では、現実の選挙に応用してみたら面白い方法を、取り入れたりもしています。この点では、次世代の選挙とも言えるわけです。このように政治学の視点からは、多くの要素が含まれており、興味深いものとなっています。



 このように政治学的に興味深いAKB総選挙ですが、その話題性と比べると、一部を除いて政治学的な分析はあまりなされていないように感じます。そこでAKO研究会という会を立ち上げて、AKB総選挙を政治学的に分析してみようと思ったわけです。



 AKO研究会はこのような土台がありますので、「AKB48」に対しては距離を取り、分析対象として見るという立場を堅持したいと思います。もちろんAKB48SKE48NMB48のメンバー及び関係者の方々、またそれぞれのファンの方々に対して、誹謗中傷する意図は全くございません。また諸権利等に関しましても、故意に侵害する意図はございません。何か問題がある時には、ご連絡をお願いいたします。



 AKO研究会では随時、質問・意見・コメント等を受け付けています。しかし申し訳ないですが、時間があるときにしか応答できないことをご了承ください。